研究課題/領域番号 |
25380729
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
藤本 延啓 熊本学園大学, 社会福祉学部, 講師 (60461620)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ライフヒストリー |
研究概要 |
本研究における研究目的の具体的内容である、①豊島の「事件史」に沿った形で、②当事者たる豊島住民のライフヒストリーと、③その背景となる地域社会および④地域社会を取り巻く社会背景の変遷歴史的に整理することのうち、平成25年度においては②当事者たる豊島住民のライフヒストリーの聞き取りとその文字データ化に注力した。 「豊島住民のライフヒストリー聞き取りとその文字データ化」は、研究調書の「研究計画・方法」において「先行研究において欠けていたミクロレベル での調査・分析を実現させる観点から、豊島住民のライフヒストリー記録を優先させる」と記したとおり、本研究の根幹をなすものであること、また喫緊の問題として、調査対象予定者の一部が既に高齢であり、さらにはステージIVの癌との診断をうけた者もあった(実際において、このステージIVの癌との診断をうけた調査対象者は、平成25年度中に死去した)ことから、豊島住民ライフヒストリー聞き取りを予定より前倒しして進める必要があると判断した。結果として、豊島社会史に関わる貴重な情報を、失われてしまう前に口述の録音音声として記録することに成功している。 また、ライフヒストリー聞き取りにおいて得た口述の録音音声について、アルバイト雇用を通してテープおこしを行い、文字データとして記録していく作業を並行して行った。この作業によって調査成果を研究資料として利用可能な形式にすることができ、平成26年度以降の研究において有効に活用できる基盤を整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究調書においては「研究目的を達成する方法として、豊島不法投棄事件にかわる社会史を①事件史②個人史③地域史④外部史にわけて整理していく」としたが、先述したとおり、平成25年度においては②個人史たる「豊島住民のライフヒストリーの聞き取りとその文字データ化」を優先した結果、その他の①事件史③地域史④外部史についてはやや遅れ気味である。しかし、②個人史については計画以上に進展していることから、全体としてはおおむね順調に研究が進展しているものと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
調査地である豊島において住民の高齢化が進んでいる背景から、今後も重要な調査対象者に高齢者が含まれる状況に変化はないため、少なくとも平成26年度中は、「豊島住民のライフヒストリーの聞き取りとその文字データ化」を優先した方針で研究を進めるが、今後はその他の①事件史③地域史④外部史について平行して作業をすすめることにも十分に留意したい。
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