香川県豊島において発生した大規模不法投棄問題を事例に、豊島における社会史の記述、および、そこに見いだされる不法投棄問題の「問題」「被害」「解決」の整理、考察を行った。特に、住民ヒアリングに基づくライフヒストリーの記述と分析は、本研究において最も注力した部分である。 豊島社会史の記述が本研究の基本的な成果であるが、社会史の分析を通して、1)不法投棄問題の「問題」「被害」「解決」については、ミクロ-マクロの関係性を含めた考察の必要性が確認されたこと、2)ミクロ-マクロの関係性に基づく考察として、例えば、マクロレベルでの「解決」が必ずしもミクロレベルでの「解決」ではないことなどが具体的に提示された。
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