研究課題/領域番号 |
25380730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
宮城 能彦 沖縄大学, 人文学部, 教授 (40229810)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 共同体 / 島嶼 / 権力構造 / 地域活性化 / よそ者 |
研究概要 |
本年度は、与那国島で2回にわたって調査を行った。 与那国町比川では、3年前に「共同売店」が設立された。それは、集落の有志が、買い物に困る地域の特にお年寄りのための小売店を設立しようと立ち上がり、自治会へ投げかけ、自治会が長へ働きかけて実現したものである。本来「共同売店」は、地域の住民のみで出資し設立された小売店であるが、人口の少ない比川地区において建設費用の負担は不可能であり、そこでとられたのが、町が建物を建設し地域自治会が指定管理を受けて運営するという方式であった。 3つの集落からなる与那国島の中で、比川地区はもっとも規模の小さな集落であり、徒歩あるいは自転車で通える距離に小売店はなく、特に高齢者が生活するのに不便な地域であった。その現状を打開すべく運動を始めたのは、いわゆる「よそ者」である移住者たちである。実は、島で生活して10年から20年以上も経っている人々も「移住者」として括られ、元々の「地元民」との間には、見えない心理的な壁が今でも存在している。それは主に「島民」の側から作られる壁ではあるが、その「移住者」が、高齢者のことを心配し地域づくりに献身的に活動していることがとても興味深い。 2度の聞き取り調査によって、比川共同売店設立のいきさつについて当事者から詳しく話を聞き、記録することができた。また、「移住者」と「地元民」との意識の違いや生活基盤の微妙な相違についても聞くことができた。さらに、共同売店の設立にかかわった、地元のリーダ達から、地域社会における生活の現状や権力関係について若干の聞き取りを行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実地調査(インタビュー)および資料収集について、当初の計画通り進んでいる。 まず、当事者との関係構築がスムーズになされたことが初年度の目的としての最大の成果だと考える。その他、資料やデータの収集も予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き与那国島での調査を行う予定である。さらに、比較検討のために他の地域の共同店の調査も引き続き行う。 今年度に関しては、行政側から見た島の生活や人間関係について、役場職員や首長に対してもインタビューを行う予定である。
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