研究成果は、三点ある。第一に、マイナンバー制度の成立に伴う個人情報管理について、政府による監視やセンシティブデータに対する日本社会における意識をアンケート調査により明らかにした。センシティブデータとしてみなされる個人情報に関する法規制の課題を検討した。第二に、スウェーデンとノルウェーの個人識別番号の制度と運用に関してその現状を明らかにし、日本の制度との相違点につき検討した。北欧諸国は、それが社会インフラとして機能していることが特徴であり、現在は移民政策の関係で制度改正が検討されている。第三に、日本の共通番号制度の年金分野への活用方法を具体的に考察し、課題を明らかにし、将来の制度展望を示した。
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