研究課題
本研究は、発達障害児の家族の生活実態を学際的視点から包括的に明らかにすることを目的としており、第1の課題として生活問題の解明、第2の課題として、支援環境の実態の解明を設定している。最終年度となった平成27年度は、(1)生活困難、支援環境について質問紙調査の実施と分析、(2)研究の総括と報告を行った。(1)については、これまで実施してきた質的調査に加え、新たに量的調査を企画・実施した。調査・分析の結果、第1に母親が主なケア役割を担っている比率が非常に高く、ケア役割が不均等に配分されていること、第2にソーシャル・サポートのうち社会情緒的サポートについては、ほとんどの回答者がサポートを得ており、親の会の仲間・同じような障害をもった子どもの親、配偶者、保育園・幼稚園・学校の教職員が有効なサポート源となっていること、第3に子育てについて誰かに責められた経験比率は非常に高く、子どもの学校社会と身近な関係性においてこうした問題が生じていることを明らかにした。この分析結果については、九州大学人間環境学研究院・人間科学部門共生社会学講座『人間科学 共生社会学』第7号(平成28年度発行予定)に論文として掲載予定である。(2)については、3年間にわたって実施してきた研究のまとめ、総括を研究チーム全員で行い、調査協力団体(宮崎県都城市)のイベント開催時に報告会を実施した。調査協力者、支援者、学校関係者を対象に研究のまとめについて報告した。
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