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2015 年度 実績報告書

医療観察法が精神保健福祉士の価値に与える影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380747
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

樋澤 吉彦  名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10329352)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード保安処分 / 医療観察法 / 精神保健福祉士
研究実績の概要

平成27年度は論考及び学会発表をそれぞれ1本発表した.論考(「保安処分に対する『日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会』(現日本精神保健福祉士協会)の『対抗』と『変節』の過程」)は日本における保安処分制度成立の機運に対して1980年代までは反対の立場を堅持してきた精神保健福祉分野におけるソーシャルワーカー(PSW)の職能団体である「日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会」(現日本精神保健福祉士協会(PSW協会))が,その構造的類似性から一種の保安処分と同定できる医療観察法に関与を表明するに至った過程を「対抗」と「変節」の過程と規定して整理検討することを目的として執筆された.考察の結果,PSW協会の保安処分に対する立場は,医療観察法の検討が開始されたと2000年代以降に「変節」に至ったのではなく,保安処分成立機運に対して強固に「対抗」する立場を表明していた1980年代頃より,その姿勢とは裏腹に保安処分性を強く内在した職務要件を欲していた点を明らかにした.本論考を土台として,同主題で学会報告を行った.
また本科研費の集大成として,博士学位論文(主題「心神喪失者等医療観察法が顕在化させた精神保健福祉士が志向する『社会復帰』概念について」(約680枚))を立命館大学大学院先端総合学術研究科に提出した.本論考は,PSWの医療観察法への関与の正当化論理,及びその鍵概念となる本法における「社会復帰」の意味について明らかにすることを目的として執筆された.結論としてPSW協会は「精神障害者の社会的復権と福祉のための専門的,社会的活動」という「使命」を本法関与の正当化原理としている点,及び本法における「社会復帰」とは「本法における医療」を受け続けるための強制力を持った措置下の環境での生活である点を明らかにした.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 保安処分に対する『日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会』(現日本精神保健福祉士協会)の「対抗」と「変節」の過程2016

    • 著者名/発表者名
      樋澤吉彦
    • 雑誌名

      人間文化研究

      巻: 25 ページ: 77-99

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 心神喪失者等医療観察法が顕在化させた 精神保健福祉士が志向する「社会復帰」概念について2016

    • 著者名/発表者名
      樋澤吉彦
    • 雑誌名

      立命館大学大学院先端総合学術研究科先端総合学術専攻一貫制博士課程審査博士論文

      巻: (無し) ページ: 1-190

    • 査読あり
  • [学会発表] 保安処分に対する日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会(現日本精神保健福祉士協会)の『対抗』と『変節』の過程2015

    • 著者名/発表者名
      樋澤吉彦
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第63回秋季大会口頭発表
    • 発表場所
      久留米大学
    • 年月日
      2015-09-20

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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