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2015 年度 実施状況報告書

日本における「里親支援体制の近未来像」の構築~里親・施設・行政の有機的連携~

研究課題

研究課題/領域番号 25380749
研究機関大阪府立大学

研究代表者

伊藤 嘉余子  大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (10389702)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード里親 / 里親支援 / 社会的養護
研究実績の概要

里親支援のあり方について検証するため、以下の2つのインタビュー調査を実施した。
1)里親支援機関職員を対象とした「里親のコンピテンシー」に関するインタビュー調査
この調査では、日頃里親支援を行っている機関職員を対象に「里親に求めるコンピテンシー(資質や能力など)は何か」について尋ねるインタビュー調査を実施した。その結果、里親として「子どもとしっかり向き合う力や動機づけ」のほか「困った時にsosを出せる力」「他の人からの助言や支援を受け入れることのできる力」が里親には必要だと考えられていることが明らかになった。里親は我が家でわが子として要養護児童を養育するため、里親だけで問題解決しようとするなど、里子の養育を抱え込みすぎる傾向にあるという。しかし、里親養育は「社会」的養護を担うものであり、里親家庭だけで個人的に抱え込むべきものではなく、里子を養育するプロセスにおける悩みや喜びを含め、広く地域社会と共有・協働していく必要があると考えられていた。
2)里親を対象とした「必要とする里親支援」に関するインタビュー調査
この調査では、里子を養育している里親を対象に、里子養育にあたっての支援ニーズや各支援機関に期待すること等についてインタビューを実施した。その結果、発達障害や知的障害などかなり養育が難しい子どもの委託が増えているため、専門的な助言指導を求める里親が多いことが明らかになった。また、里親の中には「相談しづらさ」を抱えている里親が多いため、相談しやすい環境づくりの必要性も指摘された。
これらの調査結果を踏まえ、里親のニーズにあった支援のあり方について次年度以降、海外の動向も踏まえながら考究していきたいと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2014(平成26)年度に産休・育休を取得したため、当初の研究計画よりも若干遅れている。

今後の研究の推進方策

1)まず、前年度までの日本国内での先行研究レビューおよび里親を対象としたアンケート調査・インタビュー調査、里親支援機関職員を対象としたインタビュー調査結果をまとめる形で、「日本における里親支援の現状と課題」について一定のまとめをしたい。
2)その上で、里親支援の先進国ともいえるカナダにおける里親支援の実態について視察調査およびインタビュー調査を実施し、日本との共通点と相違点、カナダ方式の里親支援を日本に導入できる可能性等について検証したいと考える。

次年度使用額が生じた理由

2014(平成26)年度に産休・育休を取得し、研究を中断した影響で、当初の計画よりも研究が遅れている。そのため、約1年遅れで研究計画を遂行している状況である。

次年度使用額の使用計画

2016年度は、前年度までの研究成果を踏まえ「日本における里親支援の現状と課題」として一定の小括をした上で、里親支援の先進国といわれているカナダにおける視察およびインタビュー調査を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 里親の支援ニーズと支援機関に求める役割2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤嘉余子
    • 学会等名
      日本社会福祉学会
    • 発表場所
      久留米大学(福岡県久留米市)
    • 年月日
      2015-09-19 – 2015-09-20
  • [学会発表] 里親種別による支援ニーズの差異に関する検証2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤嘉余子
    • 学会等名
      日本子ども家庭福祉学会
    • 発表場所
      関西学院大学(兵庫県西宮市)
    • 年月日
      2015-06-06 – 2015-06-07

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公開日: 2017-01-06  

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