フランス流アクティベーション(ワークフェア)策の特徴および矛盾を纏め(・.雇用創出策 ・.失業者支援の個別化と参入過程 ・失業給付など)、リーマンショック後の施策の変容について検討した。 失業の急増の中でアクティベーション策は維持されているが、失業保険においては不安定労働者のアクセス緩和策などが施行された。第三の失業給付であるRSA(扶助)の給付額は引き上げられ、受給者を増加させ続けている。その結果貧困率の上昇は僅かで、2013年には世帯の所得格差も縮小した。全労働者における非正規雇用率も15%と20年来変化なしである。フランス「福祉国家」体制は、新自由主義による全面的な浸食には至っていない。
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