研究課題/領域番号 |
25380753
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (90405522)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 放課後生活 / 学齢期 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
本研究2年目にあたる平成26年度は,昨年度実施した小学校に在籍する発達障害児の保護者を対象とした放課後生活に関する質問紙調査結果の分析,および第2回目の面接調査を行った。質問紙調査結果から,(1)放課後活動の1か月平均費用は,通級利用児の場合は小学1-3年生と小学4-6年生で倍近くの差があったが,支援学級在籍児の場合は学年間に差は認められなかった.また,最も金額の幅が小さい支援学級小学1-3年生内においても2万円以上の差があった。(2)塾・習い事等(スポーツ系,学習系,芸術系別)の利用理由から,各活動内容自体から期待できる効果(学力や体力向上等)とは別に,共通して,子どもの意欲や関心の引き出し,他児との場所と活動の共有,コミュニケーション力向上を期待していることが認められた。(3)「望む放課後活動(自由記述)」からは、現在の放課後活動利用の難しさ,子どもの放課後時間や場所の不足等が指摘され,そのような現状を踏まえて,回答者自身の安心や子どもの安全が保障された中で,子どものペースを重視し,自由でのびのびすごせる場,回答者が子どもを託せる人の存在等が挙げられた.同時に,学習支援,運動企画力やコミュニケーション力の向上といった,教育機能を求める意見も認められた。また,似た傾向,発達障害児に限定した活動を求める意見もあり,広く子どもと過ごす上での障壁や,回答者がいだく周囲への気兼ねが推察された。面接調査においても,子どもが周囲に承認されながら生き生きとすごせる場を求めると同時に、体育を含めた教科教育の補習的な場を,個別対応または数名程度のグループ対応で求める意向があることが認められた。子どもの生活の質を保障する地域生活支援を検討する上で,多様な力の習得を狙う教育機能を求める保護者を駆り立てるものは何か明らかにすること,また,そのような状況にある子どもの姿を丁寧に捉える必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度,倫理審査の関係により遅れていたアンケート調査の成果報告を調査協力者へ還元する作業(報告書配布など)を,平成26年度中に実施することができた。また,面接調査に関しては,年度内に第2回目をすべて行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度では、第3回目の面接調査を実施する。同時に,これまで得られたデータをもとに中間報告を調査協力者へ還元する予定である。また,分析結果を学会等にて発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,質問紙調査報告書を郵送にて各協力小学校へ配布予定であった。しかし,教育委員会の協力を得られることになり,郵送料など配布にかかる経費を抑えることできた.また,面接調査において,研究者の所属機関から地理的に近い地域に在住の方が調査協力者となり,その結果,会場費含む諸経費が当初計画よりもかからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
調査協力者に対する中間報告書を作成、配布し研究成果の還元に努める予定である。
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