研究課題/領域番号 |
25380753
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (90405522)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発達障害児 / 学齢期 / 母親 / 放課後生活 |
研究実績の概要 |
本研究3年目にあたる平成27年度は、これまで年1回実施した面接調査データの分析に加えて、第3回目の面接調査を行った。面接調査データの分析の観点は、質問紙調査(平成25年度実施)の成果から、学齢期の発達障害児の放課後生活を母親が調整する上で、何が、どのように作用し、活動の選択決定に至るのか、そのプロセスを明らかにすることにある。第1回、2回面接調査に協力くださった方の子ども26人中25人が、習い事・塾・地域活動を利用していた。このうち、発達障害児の親の会が結成されたきっかけとなった学習支援(無償・月1回程度)利用を除けば、障害児に特化した習い事・塾・地域活動を利用している人は4人であった。放課後等デイサービスの利用については、1年目;13人、2年目;10人であった。放課後等デイサービスについては、介助度の高い子どもが多く職員がそのような子に集中する傾向や、活動プログラムのねらいの効果に対する疑問等の思いがあるものの、予防的な考え(近い将来、我が子自身が直接相談をする相手の確保、あるいは、療育機関としてつながっておく方がよいだろうという漠然とした考え)から利用を継続している方が少なくなかった。また、放課後のすごし方について、母親が認知した子どもの成長や好みも選択の背景にあるものの、むしろ、学校生活における子どもの人間関係の状況、つまり教師と子どもとの関係、子ども同士の関係の状態によって、同じ親子であっても第1回目、第2回目調査時の状況は大きく異なることが認められた。このことから、学校生活と放課後生活は、相補的な関係ではなく、学校生活によって放課後生活が決まるという、学校中心の生活が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の予定であった第3回面接調査を、時期が遅れたものの、年度内に終了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度では、第4回目の面接踏査を実施する。同時に、面接調査等の成果について、調査協力者への有効な還元の仕方を検討する。また、分析結果を学会等にて発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
面接調査において、研究者の所属機関から地理的に近い地域に在住の方が調査協力者となり、その結果、会場費・交通費などの経費が当初計画よりもかからなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度が最終年度であり、調査協力者に確認いただきながら最終報告書を作成する。なお、調査協力者の今年度の生活状況(例、子どもの進学、学校適応状況等)に十分に配慮すると同時に、より着実な研究成果の社会への還元方法を検討中である。
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