研究課題/領域番号 |
25380755
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
八重樫 牧子 福山市立大学, 教育学部, 教授 (80069137)
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研究分担者 |
松宮 透高 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (10341158)
田中 聡子 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (30582382)
高月 教恵 福山市立大学, 教育学部, 教授 (40270011)
西村 いづみ 県立広島大学, 保健福祉学部, 講師 (90405522)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | こどもの里 / 子ども夜まわり / 児童館 / 子どもの居場所 / 子育ち支援 / エンパワメント / 地域ネットワーク |
研究実績の概要 |
昨年度,無認可児童館「こどもの里」の実践の一つである「子ども夜まわり」について調査研究を行った結果,体験学習を通して,「子ども夜まわり」に参加した子どもたちは,子どもや大人や野宿者と生き生きとした出会いを通してエンパワメントされあう関係性を生み出していることが明らかになった.今年度は,2014年度の「子ども夜まわり」に参加した「こどもの里」の子ども,個人的にあるいは他団体から参加した子どもや大人の感想文をすべてエクセルに入力し,一部,内容分析を行った.なお,現在も,内容分析の検討を行っている.引き続き2015年度の「子ども夜まわり」についても2月20日(土),2月27日(土)に学習会と夜まわりに参加し,フィールドワーク調査も実施した. また,「子ども夜まわり」については,日本子ども虐待防止学会第21回学術集会にいがた大会において,「子どもの里」の荘保共子館長と大阪市立大学の弘田洋二教授と一緒に「応募シンポジウム 虐待・貧困の連鎖を断ち切る子どもの自己肯定感を育む(エンパワメント)地域コミュニティの実践」というテーマで発表した.発表するにあたって,数回,打ち合わせを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「子ども夜まわり」の感想文の入力と一部分析はできたが,さらなる分析と考察ができなかった. また,インタビュー調査の関しては,福山市立大学の研究倫理審査委員会の承認をえているが,27年度に予定していたインタビュー調査を実施することができなかった.荘保館長には個別に行うインタビュー調査を実施するが,他の職員に対するインタビュー調査については,個別のインタビュー調査よりグループインタビュー調査の方が適切であると考え,調査方法の再検討を行っている. 研究分担者の調査については,「西成区要保護児童対策地域協議会」(松宮),「釜ヶ崎の子どもの貧困」(田中),「釜ヶ崎の学童保育」(西村)など一部の調査は進んでいるが,「釜ヶ崎の保育所」(高月)の調査については準備中である.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査研究から「こどもの里」は,「地域包摂的子ども支援センター」と荘保館長が命名しているように,地域において多様な機能を果たしていることが明らかになった.これから行うインタビュー調査から,なぜ,「こどもの里」がこのような機能を果たすようになったのか,また,果たすことができているのか,その要因を探っていきたい. 「こどもの里」の荘保館長には,個別のインタビュー調査を実施し,他の職員(約3人)に対してはグループインタビュー調査を実施する予定である. また,研究分担者は,それぞれの調査結果のとりまとめを行い,これらを踏まえて,地域における子どもの居場所の一つである児童館の実践モデルを提示したい.
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査を実施しなかったので,その謝金や交通費を使用しなかった.
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次年度使用額の使用計画 |
インタビュー調査を実施するための謝金や交通費,データ整理のための人件費として繰越金を使用する.また,調査結果を学会で発表するための出張費用として使用する予定である.
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