本研究は、特別養護老人ホーム(以下「特養」)における介護職員の就業形態の多様性に注目することにより、特養における職員配置をたんなる数値としてとらえるのではなく、その質的構成を分析した。継続的な聞き取り調査の実施をつうじて、特に主婦パート職員や外国人介護士が、職員配置のあり方に大きな影響を及ぼしていることを明らかにした。本研究が調査した事例では、主婦パート職員が長年の勤務経験をつうじて特養全体のケアの質を維持していた。また経済連携協定にもとづく外国人介護福祉士候補者の受け入れは、職員配置に変動をもたらしながらも、特養内のケア文化の再構築と継承の契機となっていることが明らかになった。
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