本研究の目的は「災害ソーシャルワーク理論」の体系化に向け、その機能特性を実証的に明らかにすることにある。研究方法は、ソーシャルワーカー8名に対してインタビュー調査を実施し、定性的(質的)コーディングを用いて分析した。研究成果としては192のセグメントより18のコアカテゴリーを生成しその内容を定義化した。 生成された18のコアカテゴリーより、災害ソーシャルワークの機能特性として3点が指摘できる。①ソーシャルワークの本質的かつ社会や地域に開かれた機能に集約されたこと、②当事者である本人のニーズを起点として実践が強調されたこと、③その時点での対応のみならず先の展開を想定した働きが顕著なことである。
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