フランスの家庭内保育制度は,19世紀に見られたような高い乳児死亡率を是正するべく,乳母・子守・認定保育ママ等の保育労働者に対する監督制度や資格制度を徐々に整備してきた。他方,認定保育ママの呼称を導入した1977年法制定以来,労働者としての認定保育ママを保護・育成する法整備も進められてきたものの、その労働条件にはなおも問題視されている面が残る。具体的には、①賃金水準の引上げ,②長時間労働の是正,③有給休暇の円滑な取得,④雇用の安定,⑤社会保障の給付改善など、保育環境の充実・安定のためにも,賃金労働の1つとしての認定保育ママの在り方についてさらなる社会的対応が求められている。
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