研究課題/領域番号 |
25380772
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
妻鹿 ふみ子 東海大学, 健康科学部, 教授 (60351946)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 公共哲学 / 規範理論 / コミュニタリアニズム / 支えあい / 徳 / 共通善 / 居場所づくり |
研究概要 |
人称的な連帯によって地域の支えあいのシステムを作るための理論と実践の研究を目的とする本研究の初年次の実績は大きく理論研究と実証研究のためのインタビュー調査の2つになる。 理論研究としては、内外のコミュニタリアニズムの論客が、特に地域福祉をどのように論じているかについて、文献研究を行った。特に山脇直司、マイケル・サンデル、マイケル・ウォルツァー、ビル・ジョーダンら主要なコミュニタリアンの言説を分析し、彼らが論じている「徳」(Virtue)と「共通善」(Common Goods)の概念を明らかにし、公共哲学の中でもコミュニタリアニズムという規範理論に依拠して地域の支え合いの理論構築を行うことが可能であることを明らかにした。支え合いが依拠することのできる理論的枠組みが不十分な現状では、このような言説分析とその整理は十分に意味のあることだと考えられる。この成果については、日本地域福祉学会の自由研究報告の場で報告すると共に、論文としてまとめ、同学会の研究紀要に投稿し、論文として採用された。(査読付き) 次に、実証研究の部分であるが、地縁血縁に依拠しない、地域の<場>(居場所)を作ることに成功している現場を訪問し、実践者への半構造化インタビュー調査、及び非参与観察を行った。調査を実施したのは、広島県福山市(複数個所)、栃木県那須塩原市、宮城県仙台市である。調査を実施したのは2013年12月~2014年2月であり、現在そのデータを分析中である。本調査実施に当たっては、東海大学健康科学部倫理審査委員会での承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論研究については、第一段階のまとめをすることができ、その論文が学会誌に採用されたので、一定の成果を出すことができたと考えている。 調査研究については、企画していたインタビュー数を実施することができた。ただ、インタビュー先については、都合が合わず、一部のインタビュー先を変更した。しかし、初年度の計画通り、調査自体を実施することはできた。
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今後の研究の推進方策 |
人称的な連帯の再編によって、いかに地域の支えあいを機能させるか、という本研究は、理論と実践をつなぐものである。初年度に行ったインタビュー調査を分析し、優れた居場所づくりの実践が、血縁・地縁に依拠しないオルタナティブな支えあいになっており、それが人称的な連帯の再編につながっていることを説明していくことが今後の研究課題である。質的な研究データとしてのインタビュー結果を図式的に整理し、公共哲学の視座を規範理論として用いて「徳」「共通善」というキー概念によって新たな連帯の再編を説明していくことになる。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査のための出張旅費が当初計画より少なくて済んだため。 次年度は出張旅費の計上はしていないため、物品費に組み入れて使用する予定である。
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