研究課題/領域番号 |
25380775
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研究機関 | 東京家政大学 |
研究代表者 |
松岡 洋子 東京家政大学, 人文学部, 准教授 (70573294)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | エイジング・イン・プレイス / 地域居住 / 巡回型24時間ケア / 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 / アウトカム / デンマーク / イギリス / オランダ |
研究実績の概要 |
本年度は海外調査では、予定していたオランダ調査を9月に実施した。オランダにおいては、2015年よりAWBZ(介護保険)が姿を消して24時間ケアがzvw(医療保険)へと移行の過程にあること、自治体によるWmo(社会サービス法)下の家事支援提供など、制度の大変革についてアムステルダム市等を訪問して調査することができた。 オランダ在宅ケアの終結については、1事業所(利用者80人)より「死亡85%、施設入所10%、ホスピス5%」という結果が得られた。死亡の理由は「老衰64.7%(うち41.2%は認知症)、肺炎17.6%、心疾患11.8%、パーキンソン病5.9%」であった。家事援助利用者では、死亡による利用中止は168人中9人で「死亡11.1%、改善11.1%、ケアホーム入所77.8%」という結果であった。アムステルダム市では2事業所を訪問し、サービス提供の構造を調査することができた。2事業所では、終結についての詳細なデータが入手できなかった。 日本については、2015年2月に回収した定期巡回サービス事業所のアンケート(204票、有効回答率50.6%)の分析を行いつつ、事業所訪問を行った。4事業所12名インタビューの結果、絶えざる比較法によって「地域を巻き込む」「介護中心に生活し支援もしっかり」「短時間でやり切る工夫」「情報共有型チームアプローチ」などが成功要因として抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
在宅ケアの地域居住アウトカムのデータを開示してもらうのは非常に困難である。オランダ北方のスニーク市1事業所のデータがとれたのが評価できる。また、AWBZの大改革について、自治体・保険会社を訪問して調査することができたのは大きな収穫であった。さらにサービス提供の実際については、アムステルダム市で2事業所を調査することができた。しかし、地域居住アウトカムについては、1事業所では妥当性・信頼性に欠けるので最終年度(2016年度)に再訪問しなければならない。 日本では、順調に定期巡回・随時対応型訪問介護看護の事業展開をしている4事業所を訪問してサービス提供の実態をインタビューすることができた。2016年には、アンケート結果より成果を上げている事業所を訪問する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
海外(オランダ)調査では、複数の事業所から地域居住アウトカムのデータを入手したいので、最終年度にあたり2016年9月調査を実施したい。在宅ケア利用終結の促進要因・阻害要因についての情報収集が不足しているので、この点での情報収集にも努めたい。 日本の調査については、2015年2月にアンケート回収を行ったが、さらに分析を続けたい。また、アンケート結果を受けて、アウトカムで実績を上げている事業者を訪問する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
オランダ調査については2015年9月に実施したが、755,847円の会計処理は2016年度(平成28年度)処理とすることとなったため。日本学術振興会の了承も得られている。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度(平成27年度)予定のオランダ調査は終了している。が、オランダでの複数の事業所のデータを収集する必要があるため、引き続き2016年(平成28年)9月の調査を予定している。
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