研究実績の概要 |
研究計画(1)「主観的QOL 評価尺度を用いた調査」に関しては、「10年後の自分を想定したライフプランに関するアンケート調査」を前年度に続き調査施設を加えデータ収集を行い、最終結果としてまとめた。対象者は成人群:知的障害のある成人143名(男85・女58)、平均年齢40.8歳(18~84歳)、学生群:特別支援学校高等部生徒132名(男93・女39)、平均年齢17.3歳(15~18歳)の計276名。諸項目に関し、全体及び成人群VS学生群の比較分析を行った。生活満足度に関し、全体では「とても満足」「少し満足」を併せ75.1%が高い傾向にあり、群間比較ではχ2検定で1%水準の有意差(χ2=8.28,df=3)が認められ、成人群における高満足度の割合が高かった。10年後までに実現したい希望の第1位割合は、全体では「お金」75名(28.7%)、「恋愛結婚」41名(15.7%)、「仕事」39名(14.9%)が上位だった。群間比較では成人群で「恋愛結婚」33名(25%)、学生群で「お金」56名(43.4%)の割合が高く1%水準の有意差(χ2=40.85,df=9)が認められた。研究目的(2)「中高齢知的障害者の適応状況に関する縦断的調査」に関しては、地域移行により、追跡できる対象者が少なかったことから、 「適応状態と支援の状況と関係性」に関する横断的調査に切り替え、知的障害のある人の支援尺度(SIS)とvineland-ii適応行動尺度の評定を対象施設に依頼したが、データ回収が若干遅れ分析中である。 研究計画(3)「知的障害者のキャリアプランを含む人生設計、自己選択、自己決定の支援に関する調査」に関しては、一部を研究計画(1)の分析に取り入れたものの、独立した形での調査は実施できなかった。文献研究に関しては共同研究者の高橋がまとめたものを含め、最終報告書に反映させる予定である。
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