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2013 年度 実施状況報告書

保育ママが働きやすい環境モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 25380787
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜創英大学

研究代表者

細井 香  横浜創英大学, 教育学部, 准教授 (90383405)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード家庭的保育者 / 労働環境 / 実態調査
研究概要

少子化対策として、出産・子育て・就労の希望がかなう社会を作るためには、子どもの預け先の確保は最重要課題である。現在、子ども・子育て支援法において小規模保育サービスの一環である家庭的保育事業の拡充を図っているところである。しかし、いくら制度の拡充を図っても、その制度の下で働いている保育ママが、安心して働ける環境におかれていなければ良質なサービスは提供できず、子どもの生育環境を保障することにはならない。本研究では、1)保育ママの労働環境の実態解明、2)保育ママの精神的・身体的負担感の度合いの定量化及び、これらを規定する要因分析、3)行政担当者への調査をすることにより、保育ママが「安心して働ける環境づくり」のモデル案を構築することを目的としている。
平成25年度は、保育ママの労働環境の実態を解明するために、行政資料の調査および保育ママへの実態調査を実施した。
行政資料調査では、家庭的保育事業の実施基準や保育要件、人数、体制整備などの実態を、家庭福祉員の会が発行している現況報告書やその他行政資料により調査し、市区町村格差の状況を分析、観察した。対象地域は、待機児童の多い東京都23区とし、資料は特別区決算状況、住民基本台帳による東京都の世帯と人口、保育サービス利用状況等について、福祉・衛生統計年報、各区の予算執行の実践報告書や決算書より収集した。
保育ママへの実態調査では、東京都家庭的保育者の会の協力のもと、保育ママ数名にインタビューを、会員(保育ママ)103名(回収率71%)を対象に質問紙調査を実施し、労働条件や欠員対策など支援体制に関する実態について調査した。
両調査の結果、労働条件や補助金など地域間格差が生じていることが明らかとされた。質問紙調査においては、これら格差に対する不満や、働くことへの不安も表出された。本年度の研究成果は、乳幼児教育学会、保育学会で発表している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の研究計画で予定していた行政資料の調査、保育ママへの実態調査など、計画通りに進展している。次年度の本調査の準備が整っているといえる。

今後の研究の推進方策

平成25年度の研究結果において、今、家庭的保育者がおかれている現状および労働条件や支援体制に関する地域間格差の実態が明らかとなった。行政資料調査では、一人あたりの家庭的保育事業費や0~2歳児人口における保育ママの数など、地域間で格差はあるものの、格差の要因として区の財源や児童福祉費などとの関連は見られず、0~2歳児人口や、区の事業方針など、各区で様々な要因が複雑に絡み合っていることが明らかとなった。しかし保育ママへの質問紙による実態調査の結果で明らかとなったように、地域間の格差に対する不満や、労働条件および保育ママへの支援体制など、働き続けることに対する不安感を抱えていることも現状である。調査結果から、満足度が高まる一定の基準も見えてはきたが、最終結論は、次年度以降の研究結果とあわせ、総合的に考えていきたいところである。
保育ママの働きやすい環境を作るためには、保育ママがおかれている実態を明らかにし、次は、平成26年度に実施予定である「保育ママの精神的・身体的負担感に関する実態調査」を実施し、保育ママ自身が、保育をしていくうえでの精神的、身体的両面からの負担感を定量的に示していくことが重要と考える。

次年度の研究費の使用計画

消耗品の購入が間に合わなかったため、1260円の次年度使用額を残してしまいました。
次年度に消耗品を購入いたします。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 「東京都における家庭的保育者への支援体制に関する実態調査」報告2013

    • 著者名/発表者名
      細井香
    • 雑誌名

      はぐくみ

      巻: No.50 ページ: 4-8

  • [学会発表] 家庭的保育者からみた支援体制の実態について2014

    • 著者名/発表者名
      細井香
    • 学会等名
      日本保育学会
    • 発表場所
      大阪総合保育大学・大阪城南女子短期大学
    • 年月日
      20140517-20140517
  • [学会発表] 東京都における家庭的保育事業に関する地域間格差の現状分析とその要因2013

    • 著者名/発表者名
      細井香
    • 学会等名
      日本乳幼児教育学会
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      20131123-20131123
  • [学会発表] 東京都における家庭的保育者への支援体制に関する実態調査報告2013

    • 著者名/発表者名
      細井香
    • 学会等名
      第10回東京都家庭的保育者の会研修会
    • 発表場所
      都庁 都民ホール
    • 年月日
      20131006-20131006

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公開日: 2015-05-28  

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