研究課題/領域番号 |
25380790
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
辰巳 寛 愛知学院大学, 心身科学部, 准教授 (70514058)
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研究分担者 |
山本 正彦 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (40378039)
仲秋 秀太郎 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80315879)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 失語症 / 多職種連携 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
研究の目的:失語症の実態を正確に理解することは難しい。失語症に関して十分な教育をうけたケアスタッフは少ない。失語症患者へのケアの質を向上させ、ケアに伴う負担感やストレスを軽減するためには、失語症についての正しい知識と失語症状に対する適切な対応方法の技能を有することが重要である。しかし、ケアスタッフの失語症についての理解度に関する実態調査は十分に行われていない。本研究では、失語症患者のケアに従事するスタッフの失語症に関する基礎的知識の状況を評価するため「Aphasia Knowledge Test-20(AKT-20)」を開発し、テストの有効性を検証するとともにスタッフの失語症理解の現状と問題点について検討することを目的とした。 対象および方法:失語症患者への在宅サービスを提供している指定介護保険事業所に勤務する医療系専門職者である。調査内容は、スタッフの基本属性とAKT-20を実施した。AKT-20は、失語症に関する基本的事項についての質問紙である。合計20問から構成されている。解答は5択方式である。問題は「Biomedical knowledge」8問、「Coping knowledge」7問、「Services knowledge」5問の3つの下位項目から構成されている。「Biomedical knowledge」は、失語症の原因や出現率、具体的症状、合併症などに関する質問である。「Coping knowledge」は、理解障害や喚語障害への対処方法などに関する質問である。「Services knowledge」は、失語症のリハビリを受けられる環境や条件等に関する質問である。 現時点の回収率は約60%で、最終的には80%ほどの回収を目指している。その後、統計学的処理を行い、ケアスタッフの失語症に関する知識の現状について明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケート回収に想定以上の時間を有している。 研究者は、各施設に赴き直接に協力を要請しているものの、施設数もスタッフ数も膨大であり、十分に回りきれていない。 今後は、施設訪問の協力者を増員してアンケート回収率を高める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
失語症ケアスタッフの失語症理解度を評価するAKT20の臨床的有用性(信頼性と妥当性)を検証したうえで、課題点を抽出し、ケアスタッフ向けの失語症教育プログラムを作成する。 同時に、失語症への理解度と介護負担感や精神的健康度との関連を分析し、燃え尽き症候群等のトラブル回避のためのサポート体制を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者1名において残金を生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
残金が生じた研究分担者が次年度に使用する予定。 人件費、謝金などでの使用を計画している。
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