本研究は,児童自立支援施設における権利擁護の取り組みと子どもの意見表明権や参加の保障の実態について施設訪問と質問紙調査により把握し,検討することを目的としたものである。結果から,①子どもの意見の尊重や参加の促進,②子どもの声を反映した施設づくり,③子どもの権利の視点に立った援助・支援へ向けた環境整備,について多様な取り組みを行っていることが明らかとなった。その一方で,運営指針の改定等の動きのなかで,従来の処遇理念や方法を検証しながら方向性を模索している現状が伺えた。また,子どもの評価や参加が,運営や生活場面にどのような成果や効果を与えたのか,参加の手法の開発も含め検討していく必要がある。
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