本研究では、以下の4点の研究成果が明らかになった。1.障害年金の認定基準は基本的に就労ではなく、日常生活である。2.精神障害者の就労は、①一般就労、②福祉的就労、③ピアサポート等の活動、の3つに分類される。3.障害年金を受給していることは、将来の就職の制限につながるとはいえない。4.障害年金を受給することは、就労意欲の減退にならない。むしろ、現実に向き合った暮らしの構築に寄与できるといえる。 以上のことをふまえ、本研究では、精神障害者は障害年金を得ることによって生きづらさを補うと共に、就労によって自己有用感につながる、と論じた。ゆえに、障害年金と就労は相補関係にあるということを提言した。
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