イギリス・ドイツにおける視覚障害者支援(実地調査):イギリスでは眼科医療機関で障害告知がなされる際、英国視覚障害者協会から派遣されたECLO(Eye Clinic Liaison Officer)が立ち会い、退院後の地域生活に向けた支援が開始される。実地調査では、ECLOが果たす役割について詳細に調査した。ドイツでは受障後の回復に向けた独創的な取り組みがみられる。実地調査では視覚障害教育と視覚障害リハビリテーションとの連携(Carl-Strehl-Schule)、ロービジョンケアと就労支援との連携(Berufsforderungswerk Wurzburg)について詳細に調査し、本研究で提案する支援システムとの比較検討を行った。 支援システムの実証的検討と考察:平成25年度と同26年度の研究結果をふまえて、名古屋盲人情報文化センター、名古屋市総合リハビリテーションセンター、筑波大学附属視覚特別支援学校の協力を得て、援助方法を実証的に検討した。さらに従来の援助方法で解決が困難とされた中途視覚障害事例に効果的と思われる支援システムについて考察した。社会福祉方法論研究における本研究の位置づけを明確化するため平成28年度の関連学会においてシンポジウムを企画し、実践上の諸課題を明確化する予定である。 研究報告書の作成:研究結果報告書を速やかに作成し、関連学会で報告するとともに、研究協力機関、障害当事者並びに当事者団体、全国の視覚障害リハビリテーション施設、都道府県立特別支援学校(盲学校)、眼科医療機関等に情報提供し、援助方法に関する議論を深める予定である。
|