研究課題/領域番号 |
25380795
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
汲田 千賀子 日本福祉大学, その他部局等, 非常勤講師 (80387844)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | デンマーク / 認知症ケア / 専門職養成 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、認知症ケアの高度介護専門職養成に関して、①実際の介護現場で研修がどのように組み立てられているのか、②高度専門職の最新の動向についてヒアリングを通して明らかにした。 実際の介護現場における職員の研修については、デンマークヒロード市のプライセンターをフィールドとしたが、そこでは、介護現場の職員に必要となる知識・技術をプライセンター内で研修するのではなく、外部の「職業ホイスコーレUCC」と言われる外部の研修機関と共同でプログラム開発を行っている。外部に研修を受けにいく形式ではあるものの、介護現場側もそこで行われる研修について一定のイニシアチブを持っている点において、今日の我が国の介護現場に示唆を与えるものである。 具体的には、上半期4週間、下半期4週間の計8週間行われている。上半期には、病気としての認知症に焦点を当て、主として病理学と薬理学を看護専門的な関連から学ぶ。下半期には、理論、コミュニケーション、協働、文書化、質の向上について重点を置いている。 高度専門職の最新の動向としては、「家族コンサルタント」という専門職を自治体に新たに配置しはじめていることが明らかになった。この職種は、認知症コーディネーターと協同し、主に家族の支援をするための専門職である。このような専門職の配置は、近年始まったばかりであり、今後具体的な働き方などについては次年度の研究としていく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に予定していたデンマークヒロード市/コペンハーゲン市でのヒアリングがほぼ終わっているため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度については、以下のことについて行う。 ・認知症コーディネーターと協同する新たな専門職である「家族コンサルタント」がどのように認知症家族とコミットし役割を果たしているのかについて明らかにする。 ・近年、認知症ケアにかかわる専門職養成において、特にデンマークでは国家戦略として「予防」と「リハビリテーション」を“アクティビティ”として実施しており、その実際と効果について現地での取り組みの視察とヒアリングを通して現状把握を行う。
|