研究課題/領域番号 |
25380806
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
土田 美世子 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (90310755)
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研究分担者 |
高松 智画 龍谷大学, 社会学部, 准教授 (60226917)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ケアワーク / ソーシャルワーク / 生活型施設 |
研究概要 |
当該年度に実施した研究は,以下の2点である。 1点目として,児童福祉施設でのエキスパートインタビューを実施した。まず、ソーシャルワークとケアワークの関連について多角的に検討するため,子どもの権利に基づく「ケア基準」を策定した児童養護施設の施設長に,オープンクエスチョンでのパイロットインタビューを依頼した。このインタビューの分析により,ソーシャルワークとケアワークとの関連についての質問項目を特定する予定であったが,分析で抽出できたのは,個人のスキルというよりも,職員集団としての取り組み,チームワークの重要さであった。このため,以降の3つの児童福祉施設(乳児院、児童養護施設、情緒障害時短期治療施設)でのインタビューについては,利用児との関わりを中心にしながら,職員の職務についても聞き取りを行った。 2点目は,児童福祉施設での実習を行う実習生に対する質問紙調査である。ケア項目の実施状況とソーシャルワークの理解度との関連について,実習前後のプレ・ポストデザインで実施した。2点目については,報告書の完成に向けて作業を進めている。 まとめると,エキスパートインタビューから示唆されたのは,ケアワークとソーシャルワークを関連付ける個人のスキルの向上には,施設機能に基づく職員集団としてのチームワークが大きく関わっていることである。このことは,実習生のソーシャルワークについての学びのプロセスと重なると考えられ,上記の二つの調査結果を関連付けて分析し,ケアワークの専門性とソーシャルワークについての更なる検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
25年度でまとめる予定であった児童福祉分野におけるソーシャルワークとケアワークの関連についての分析が次年度をまたぐ結果となっており,この点が「やや遅れている」とした理由である。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に実施したエキスパートインタビュー,施設の職務とソーシャルワークの関連についてのインタビュー,及び実習生へのプレ・ポストの質問紙調査を関連付けて分析し,ソーシャルワークとケアワークの関連について仮説を構築する。この仮説から半構造的インタビューの項目を抽出し,児童福祉分野の職員へのエキスパートインタビューをさらに数件,新人へのインタビューを必要数実施する。また,障害者福祉分野の職員について,エキスパートインタビューを実施する。 実習生に対する質問紙調査について,報告書を発行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
社会福祉施設実習生への質問紙調査報告書の発行が年度を越え,印刷費の執行が次年度送りとなった。また,エキスパートインタビューについても年度を越えて実施する必要が生じ,その分の執行が次年度送りとなった。 繰り越された金額については,実習生の質問紙調査についての報告書の印刷費用,及び,25年度に実施できなかったエキスパートインタビューへの謝礼等により執行される予定である。
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