研究課題/領域番号 |
25380808
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
森 詩恵 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (30341283)
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研究分担者 |
藤澤 宏樹 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (60310984)
橋本 理 関西大学, 社会学部, 教授 (60340650)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ボランタリーセクター / 高齢者福祉 |
研究実績の概要 |
今年度は、本研究の最終年度となるため、日英ボランタリーセクターに関する追加調査(福島県の医療生活協同組合、石川県保険医協会、甲賀市シルバー人材センターなど)を実施し、多様なボランタリーセクターへのヒアリングを行った。これらのヒアリングから得られた内容を精査し、介護保険制度(介護予防・日常生活総合支援事業)に関わるボランタリーセクターへの追加ヒアリングの必要性が明らかになった。 また、イギリスのボランタリーセクター政策の現状やその実践現場での状況を把握するため、在英の研究者との研究会を開催し、今後検討が必要とされる課題を把握することに努めた。特にイギリスでは認知症高齢者に対する支援を活発に行おうと取り組んでおり、この取り組みに対する日本への有効な示唆を得ることができた。 そして、今年度は、各研究者がそれぞれ本研究の成果報告として、論文作成や国際学会での報告を行った。日本においての認知症高齢者に対する取り組み及び自立した高齢者支援に対する報告では多くの海外の研究者から質問を受けることができ、また活発な意見交換ができたこと、有意義なアドバイスを受けたことで、本研究の残された課題が明確になった。また、市民へ本研究の成果の一部をフィードバックする目的で、研究代表者である森が「日英比較を通じたボランタリーセクターの現状と役割と課題」という内容で公開セミナーを開催した。 本研究の最終年度として、これまでの先行研究の分析やヒアリング調査をもとに本研究の総括を行ったが、日本の介護保険制度改正による実践現場の動きをいち早く研究に反映させることが重要であることが明らかになり、補助事業期間の延長を希望し、その介護予防・日常生活総合支援事業に関わるボランタリーセクターのヒアリング対象先の選定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の検討項目である、⑤追加ヒアリング調査およびその結果の総合的分析に関しては、ヒアリング調査や研究会の開催によって順調に進展した。その総合的分析から得た課題として、高齢者の介護保障政策とそれに絡むボランタリーセクターに関しては、「介護予防・日常生活総合支援事業」の実施が迫っているので、その最終年度におけるボランタリーセクターの調査・分析を行うことが、本研究ではさらに有意義であると考えたため、1年研究を延長することになった。
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今後の研究の推進方策 |
研究を1年延長したことで、わが国の高齢者支援におけるボランタリーセクターと介護保険制度に関する最新の実践現場での状況を把握するため、その点に絞って追加でヒアリング調査を行う予定である。また、イギリスでのボランタリーセクター政策やその現状に関する考察と併せて、本研究のまとめを行っていきたい。そのため、在英研究者からのアドバイスを研究等で積極的に受けるため交流し、最終年度のまとめを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の最終年度において、これまでの研究分析の考察および課題の整理をしている際に、次年度が介護保険制度の「介護予防・日常生活総合支援事業」の準備期間最終年度になるため、実際の動きをつぶさに確認できるという点から、介護保険制度における高齢者支援におけるボランタリーセクターの状況把握を追加したほうがいいと考え、追加調査を実施するため。
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次年度使用額の使用計画 |
使用計画としては、ヒアリング調査費、資料収集のアルバイトへの謝金、書籍・消耗品の購入、研究の最終まとめを行う研究会の開催である。
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