研究課題/領域番号 |
25380809
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
斉藤 立滋 大阪産業大学, 経済学部, 准教授 (50340609)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会保険 / 社会的排除 / 社会的包摂 / 貧困 / 格差 |
研究実績の概要 |
本研究は、社会保障政策の最重要課題のひとつである社会的包摂について、アクティベーション型社会的包摂政策としての参加保障型社会保険の設計を提示することである。具体的には、従来、明確に明らかにされてこなかった年金・医療・介護・雇用の4つの社会保険の社会的排除のメカニズム(仕組み)を詳細に解明し、排除をなくし雇用と社会保障を連携させる社会保険の再設計案を提示することである。 平成27年度は、昨年度までの研究計画の遅れを取り戻すべく研究を進めていたが、研究の根幹の部分で、大きな見直しをおこなった。つまり、社会的排除の研究のサーベイを進めていくうちに、社会的排除の研究の前提となる貧困に関する研究への無理解と研究不足を認識した。今年度は、江口英一・川上昌子の一連の貧困研究をはじめとして、最近の研究では橘木俊詔・阿部彩などの貧困研究をサーベイし、貧困研究の到達点と今後の課題を明らかにしようとした。 阿部彩が指摘しているように、日本では、人々の生活の「質」を表す指標が公的統計として整備されているが、生活の「質」の格差や「貧困」についての指標は、殆ど整備されていない。その背景には、日本の公式な「貧困」の定義が定められておらず、それを計測する指標についての社会的合意も形成されていないことが挙げられる。 この貧困研究の現状をふまえ、当初の目的である、年金・医療・介護・雇用の4つの社会保険の社会的排除のメカニズム(仕組み)を解明し、排除されている人の人数の推計、排除から包摂への方法などを引き続き研究していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
社会的排除の研究を進めていくにあたって、貧困研究との共通点・相違点を明らかにすることに時間を要してしまった。 従来おこなってこなかった貧困研究のサーベイと、従来続けてきた社会的排除の研究のサーベイが後ろ倒しになり、時間を要してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
貧困研究の現状をふまえ、当初の目的である、年金・医療・介護・雇用の4つの社会保険の社会的排除のメカニズム(仕組み)を解明し、排除されている人の人数の推計、排除から包摂への方法などを引き続き研究していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒアリング調査の一部が未実施のため。
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次年度使用額の使用計画 |
書籍代、旅費、人件費として、支出予定。
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