今年度は、次の2本の論文を研究成果としてまとめることができた(うち1本は2017年2月末投稿、6月末刊行予定)。 ・論文(単著)、査読なし、齋藤立滋「日本における社会的排除の研究-現状と課題-」、立命館大学政策科学会『立命館大学政策科学』24巻3号、pp.35-44、2017年3月15日発行。前年度までの残された課題として、貧困、相対的剥奪、社会的排除の共通点と相違点を 明らかにすることであった。本論文では、①社会的排除の定義と登場の背景、②貧困、相対的剥奪、社会的排除の共通点と相違点を明らかにしつつ、社会的排除の特色、③日本における社会的排除の取り組み、④社会的包摂に向けての課題、以上4点を明らかにすることができた。労働を軸とした社会的包摂から社会参加を軸とした社会的包摂の重要性を明らかにした。 ・論文(単著)、査読あり、齋藤立滋「社会的包摂としてのベーシックインカム」、大阪産業大学学会『大阪産業大学経済論集』第18巻第3号、pp.1-14、2017年6月末発行予定。社会的包摂の手段として、ワークフェア、アクティベーション、べーシックインカムがある。本論文では、社会的包摂としてのベーシックインカムに注目し、①長所、②導入への課題、③日本における導入の議論、④新しい所得保障の方法として注目されている理由、以上4点を明らかにすることができた。ベーシックインカムは、今後、従来の社会保障政策を見直し、所得保障を補完する政策として必要になっている。
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