本研究においては、野宿労働者や障害者、若者、DV被害者など居住困窮者に対して居住支援をおこなう30の社会的企業に対して調査を実施した。その結果、居住支援型社会的企業は①居住困窮者の把握、②入居支援、③生活支援、④地域支援を段階的に実施、その過程ごとにネットワーク形成と居住支援拠点開発を行っていることが分かった。その一方で、①居住困窮者のエンパワメントと事業性の両立の難しさ、②制度内福祉への一部回帰、③地域内での拠し方の模索、④住宅セーフティネット施策との接合不全などの課題も明らかになった。最終年は日本と韓国、台湾の実践者および研究者が居住支援型社会的企業の可能性と課題を共有することができた。
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