研究課題/領域番号 |
25380813
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
室田 保夫 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (90131614)
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研究分担者 |
今井 小の実 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20331770)
陳 礼美 関西学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (40510160)
元村 智明 金城大学, 社会福祉学部, 准教授 (60340022)
倉持 史朗 天理大学, 人間学部, 准教授 (70411056)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大阪博愛社 / 社会福祉史 / 児童養護施設 / 孤児院 / 児童福祉 |
研究実績の概要 |
1)[史料の整理、保存作業]前年度に引き続き、史料整理、保存作業を行った。①1955年までに作成された史料が、新たに多数発見され、これらの史料について目録追加のための整理・保存作業を行った。②仮目録と保存史料との照合、仮目録記載事項の訂正作業を行った(全体の30%まで終了)。また、この作業に併せて史料保護の観点から保存箱内の史料の再配置作業を行った。③1956年以降の史料について、大分類にもとづいて分類作業を行い、史料整理棚に収納した。 2)[史料の写真撮影・画像データ化作業]前年度に引き続き、特に貴重な史料について、写真撮影して画像データ化した。年度末までに、創設当初から1955年までの、個人日誌の画像データ化が終了した。 3)[簿冊史料の目録作成]簿冊史料について、再分類に向けて個別史料の目録作成に着手した。 4)[日誌の翻刻作業]これまでにも、小橋勝之助日誌の翻刻作業に取り組んできたが、その他の人物の日誌については手付かずの状況であった。本年度は、小橋実之助の日誌の翻刻作業にも着手した。 5)[研究会の実施]各自、史料をもとに博愛社や博愛社に関連する事業・団体・人物に関する研究を行い、3回の研究会を実施した。実施日程と報告内容は、次の通りである。6月8日(原佳央理「設立当初の児童処遇について」、蜂谷俊隆「博愛社における里預けについて」)、9月13日(大月英雄「伊香相救社(滋賀県)について-滋賀県の備荒貯蓄制度との関係を中心に」、嶺山敦子「博愛社と日本キリスト教婦人矯風会との関連について」)、2月23日(室田保夫「『三代の社会事業史-小橋かつえ刀自聞書』について」、大森万里子「楠本六一と南加小児園について」、今井小の実「小橋実之助日記の翻刻について」)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
創設当初から1955年までの、個人日誌の画像データ化が終了した。また、未整理であった1956年以降の史料について、本格的な整理のための環境整備も完了した。研究の面では、研究会において、5課題の研究報告がなされ、一次資料を活用した研究が着実に進みつつある。 しかしながら、史料の整理、保存作業はまだ途上にあり、新たに貴重な史料の発見が続いている。また整理、保存作業と研究が広範に及び、今後の研究を見据えて作業方針を見直すため、検討、調整、打ち合わせ等に多くの労力と時間を費やさざるを得なかった。そのため、年度末に予定していた研究報告書の発行は、次年度中の発行に延期した。併せて、海外の関連施設の史料調査についても、これらの作業を優先させるために中止した。 また、当初予定してた書簡の整理作業については、研究協力者の移籍により、年度内に作業時間の確保ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
延期している報告書については、平成27年度の前半(7月を予定)の発行を目指した作業を行う。 平成27年度内に、①仮目録と保存史料との照合、仮目録記載事項の訂正作業及び、史料保護の観点から史料の再配置作業を行い、作業完了を目指す。②新たに発見された史料を追加した、仮目録の改訂版を作成する。③簿冊内史料の仮目録を作成することを目指す。そして、これらの作業を円滑に実施するため、研究協力者とアルバイトの作業員を増員する。 書簡整理については、平成26年度予定してた作業を10月までに終えるよう研究協力者に作業時間の確保を依頼している。
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次年度使用額が生じた理由 |
作業と研究が広範に及び、今後の作業方針を決定するための検討、調整、打ち合わせ等に多くの労力と時間を費やさざるを得なかった。このため、年度末に予定していた研究報告書の発行は、次年度中の発行に延期した。併せて、海外の関連施設の史料調査についても、これらの作業を優先させるために中止した。また、書簡整理作業については、作業の担当を予定していた研究協力者の移籍により、年度内に作業時間を確保することが困難となったため未実施である。これらのことにより、印刷費用、出張旅費、人件費・謝金に未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
報告書については、収載予定の論文等の執筆が進んでおり、平成27年度の前半に報告書を刊行する。 平成26年度に完了しなかった史料の整理、保存作業については、研究協力者とアルバイトの作業員を増員して実施する。また、書簡整理作業については、10月に作業を完了させることを目指して実施する。
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