研究課題/領域番号 |
25380818
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
村上 貴美子 関西福祉大学, 社会福祉学部, 客員教授 (00301846)
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研究分担者 |
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (80367573)
半田 結 関西福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10595268)
中尾 友紀 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (00410481)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 精神病者監護法 / 癩予防法 / 結核予防法 / 産業組合 / 社会政策 |
研究実績の概要 |
本研究は、平成22年度採択(基盤C 22530657)「精神病者監護法・癩予防法および結核予防法の制定・実施過程の比較研究」の継続研究である。精神病者監護法(1900年制定)、らい予防に関する法律(1907年制定)および結核予防法(1919年制定)を分析対象とし、(1)三法の制定過程の比較研究、(2)戦法の実施運用過程における慢性三疾患別課題の明確化、(3)三法の実施・運用に伴う各法対象者の生活実態の変化の検証、の三領域の比較分析を行う。 そのうち(1)の政策過程の比較研究はほぼ終了した。精神病者監護法の制定政策意図は、精神病者に対する明治民法の不備(人権の軽視)への警鐘であり、らい予防に関する法律は明治後期一等国日本をめざす国際的視点の導入であり、結核予防法は産業詮索上の労働力確保の視点であることを解明した。 平成26年度は前期課題のうち、(2)を中心に(3)の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)月2回の定例研究会の実施。①第2土曜日 基礎文献の合評会(後藤新平、窪田静太郎)、各自の研究中間発表 ②第4金曜日 社会学文献の合評会(金井延) (2)研究内容を論文発表 ①「農村保健衛生状態実地調査に見る慢性三疾患(精神・癩・結核)予防政策上の課題」宇都宮みのり ②「「国営保険論」の収斂過程」村上貴美子 ③「行政官川村秀文にみる「社会事業と社会保険」構想」中尾友紀 (3)年2回予定の研究報告会(合宿)は、メンバーの日程調整上、2月1回となった。 (4)現地調査が不十分であった。
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今後の研究の推進方策 |
過去2年間の研究成果を基礎として、慢性三疾患の予防対策の実施過程をより明確に分析をしていく。これを通じて三疾患の今日における「差別」意識構造の原点を解明していく。 具体的には (1)従来通り月2回の定例研究会の開催 (2)昨年度不十分であった関係各地の実態調査を実施 (3)三法の予防実施過程における比較文政を行う。 そのうえで、最終年度として本研究の目的である三法の政策・実施・運用過程における比較研究をまとめ、後年の公刊を目標に総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(1)年2回の合宿を計画していたが、メンバーの日程調整上2月の1回となった。そのため 1回分の合宿予算が次年度使用となった。 (2)2015年度開催の「社会事業史学会・総会」の開催が愛知県立大学とあるため、宇都宮、および中尾は開始準備に追われ、定例研究会に参加ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は本研究の最終年度となるため、定例研究会はもちろんであるが、中間報告・最終報告会(合宿形式)を十分な日程で行う。また、さらに現地調査を行い、政策の実施過程を調査する予定である。
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