2012年に行った大学生に対するいじめ経験の調査によって、被害者は、加害者の出席停止や停学・退学などの処罰よりも、被害者の気持ちを理解し、心からの謝罪の方を強く求めていることが明らかになった。このことから、修復的実践によって、壊された関係の修復に向けた対話を準備すること、RJサークルと呼ばれる日常的な相互理解の場を提供することの意味と意義が確認できた。また、修復的実践のダイナミックな展開によって学校文化を変えるためには、ミネソタ州教育局が実践したように、学校全体を対象とした計画的な研修-実践-評価のプロセスが必要であることも、本研究によって明らかにすることができた。
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