研究課題/領域番号 |
25380825
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
木村 力央 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (50517034)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会的企業 / キャパシティー・ビルディング / カンボジア / 貧困層 / ガバナンス / オーナーシップ |
研究実績の概要 |
2014年6月に、オーストラリア、カンボジア及び日本からの研究者及び実務家を招きセミナーを開催し、カンボジアの社会的企業の概要を掴んだ。また継続して文献レビューを行った。8月から半年ほどの在外研究期間の最初の数ヶ月を利用して、研究のフレーム作りとリサーチ・サンプルの選択を行った。その結果、貧困層に属していたカンボジア人が共同所有・運営している社会的企業のキャパシティー・ビルディング(能力開発)を本研究の焦点に絞った。そのような側面を考察することにより、本研究の当初のリサーチ・クエスチョンであった「社会的企業は、どのような面で貧困層をエンパワーしているか」、「社会的企業の活動に貧困層はどの程度主体的に参画しているか」そして「社会的企業の活動は、貧困層の社会関係資本をどの程度醸成しているか」という問いに答える。なおリサーチ・サンプルとして、2つの社会的企業を比較考察のため選んだ。
在外研究期間中の後半に、延べ5週間に及ぶフィールドワークを実施した。11日間の参与観察及び50本のインタビューを行い、必要なデータを収集した。テープ起こし及びその翻訳もほぼ完了した。また暫定的な分析を行い、その分析結果を在外研究期間中に客員研究員として受け入れてくれた王立プノンペン大学の開発学部・研究科の教授会にて発表した。
2015年度は、データの分析、論文の執筆、学会での口頭発表を中心に研究活動をする予定である。口頭発表におけるフィードバックを基に、論文を学術雑誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
貧困層に属していたカンボジア人が共同所有・運営している社会的企業のキャパシティー・ビルディング(能力開発)を本研究の焦点とすることにより、本研究の当初のリサーチ・クエスチョンであった「社会的企業は、どのような面で貧困層をエンパワーしているか」、「社会的企業の活動に貧困層はどの程度主体的に参画しているか」そして「社会的企業の活動は、貧困層の社会関係資本をどの程度醸成しているか」という問いに答える研究のフレームが形成された。また、必要なデータの収集とその翻訳が完了し、暫定的な分析も行った。関連する文献のレビューもある程度進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、データの分析、論文の執筆、学会での口頭発表を中心に研究活動をする予定である。本研究の口頭発表プロポーザルが、2015年に開催される5th EMES International Research Conference on Social Enterprise(フィンランド)及びInternational Society for Third-Sector Research 9th Asia Pacific Regional Conference(東京)に受理された。それらに向けてデータの分析及びペーパーを執筆する予定である。そのペーパーとそれに対するフィードバックを基に、論文を学術雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究はほぼ計画通り進行したが、7,798円の余りが出た。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費用の一部として使用する予定である。
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