本研究では、アルコール依存症の回復要因をレジリエンス概念で捉えることの可能性を示唆するとともに、アルコール専門病院の治療プログラムがレジリエンス向上につながっていることを明らかにした。また、セルフヘルプグループ(以下SHG)メンバーと非依存症者のレジリエンスの比較から、アルコール依存症者がSHGの活動により非依存症者と同等のレジリエンスを身につけていることを示唆した。この結果から、アルコール依存症者のレジリエンス向上において、他者との信頼関係に基づく良好な関係性構築が重要であると考察し、地域で活躍する専門職に、今後、アルコール依存症者の地域支援で求められる対策について確認した。
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