研究課題/領域番号 |
25380831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 浦和大学短期大学部 |
研究代表者 |
平澤 泰子 浦和大学短期大学部, その他部局等, 教授 (60618867)
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研究分担者 |
小木曽 加奈子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (40465860)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療的ケア / 介護福祉士 / 教育プログラム / 介護職 / 看護職 / 介護福祉実習 / ポートフォリオ / リフレクション |
研究概要 |
本年度は、調査1、調査2、調査3を実施した。 調査1として、介護療養型医療施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設を対象に、介護福祉実習(以下 実習)を実施しているそれぞれ2施設(看護職2名と介護職2名:計24名)に対して、インタビュー調査を実施した。これらの調査は、医療的ニーズに対応可能な求められる介護福祉士となるために、介護の現場では、どのような知識や技術を養成施設で身につけることが必要と感じているかを明らかにするために調査を実施した。 調査2として、Web上に掲載されている全国の介護福祉士養成施設(以下 養成施設)の内の短期大学に焦点を当て、無作為抽出法で10施設を抽出し、内容分析を実施した。また、養成施設である大学、短期大学、専門学校の各1校(計3校)を有意抽出し、入手したシラバスを基に、内容分析を実施した。これらの調査は、各養成医療的ケア教育の現状を知るために分析を実施した。 調査3として、介護福祉分野の研究者2名、看護学分野の研究者2名、介護老人保健施設の介護職2名(計6名)にて意見収束技法であるデルファイ法を実施した。統計は平均値、標準偏差、四分位偏差などを算出し合意の程度を確認した。デルファイ法参加者で協議をしながら、フィードバックを3回繰り返し実施した。これらの調査は、調査1と調査2で得られた結果から、既存の教育課程では不足している学習内容を明らかにするために実施した。その結果、7内容を抽出し、文言の変更等を検討し、「医療的ケア教育プログラムにおける、『医療的ケアの知識と技術のチェックリスト』を作成することができた。7領域・44項目・5~8質問(計88質問)として意見収束をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究計画である調査1、調査2、調査3を、予定通り実施することができた。これらの調査を実施することで、本研究の目的である「医療的ケアに対応できる介護福祉士教育プログラムの創設と実施」のための大きな成果を得ることができた。「介護の現場で介護福祉士に求められている医療的ケア教育の内容」、そして「養成施設における医療的ケア教育の現状」を明らかにすることができた。 調査1では、介護の現場では、「ヘルスアセスメントを学ぶ」、「医薬品を用いたケアを学ぶ」、「痰の吸引を学ぶ」、「経管栄養を学ぶ」、「緊急時の対応を学ぶ」、「排泄を促すケアを学ぶ」、「身だしなみを整えるケアを学ぶ」、「専門用語を学ぶ」の8領域を示した。 調査2では、養成施設における教育においては、「医療ニーズの多様性」、「健康維持への支援」、「緊急時の対応」、「日常生活を整えるケア」の4領域を示した。 調査3では、調査1、調査2の結果を基に、デルファイ法を用いて、医療的ケアの知識と技術のチェックリストを作成することができた。介護保険制度における3施設における「介護福祉士に求められる医療的ケア」は、教育者と実践者の認識に乖離がないことが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究は、計画通り実施することができた。今後も本研究計画に沿って調査を実施していきたい。 平成26年度は、調査4-1は、介護福祉士養成協会に加盟している約3養成施設(計 約160名)を有意抽出し、第1段階実習を修了した学生に調査を実施する。調査方法は、平成25年度作成した『医療的ケアの知識と技術のチェックリスト』で質問紙調査を実施する。得られた結果から、「医療的ケアの知識と技術のチェックリスト」の学びの傾向を明らかにする。調査4-2は、調査4-1の対象学生のうちの約10名にポートフォリオを実施する。実施方法は、記述調査と半構造化インタビューで実施する。内容の分析によって、「医療的ケアに対応できる介護福祉士教育プログラム」の達成度を明らかにする。 平成27年度は、調査5-1は、調査4-1と同じ約3養成施設(計 約160名)の第2段階実習を修了した学生に調査を実施する。調査方法は、調査4-1と同じ質問紙調査を実施する。調査5-2は、調査5-1の対象学生のうちの約10名(調査4-2と同じ)に対してポートフォリオを実施する。調査6-1は、調査4-1と同じ約3養成施設(計 約160名)の第3段階実習を修了した学生に調査を実施する。調査方法は、調査4-1と同じ質問紙調査を実施する。調査6-2は、調査6-1の対象学生のうちの約10名(調査4-2と同じ学生)に対してポートフォリオを実施する。 平成28年度は、調査7-1は、調査4-1と同じ3養成施設(計 約160名)及び介護福祉士養成施設約383施設(計 約19.908名)に悉皆調査を実施する。調査対象者は平成27年度卒業生であり、介護職として勤務予定者である。調査7-2は、調査7-1の平成27年度卒業生であり、介護職として勤務している卒業生に悉皆調査を実施する。結果分析により、新たな役割を持つ介護福祉士の専門性を確率する。
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