災害介護教育プログラムの体系化を目指すと共に有効性を検証することを目的として、これまでの研究結果を踏まえ、2014年2月に教育教材として作成し中央法規出版より共著として発刊されたテキスト「災害時の要介護者へのケア-いのちとくらしの尊厳を守るために-」を活用した教育プログラムを実践し、評価をおこなっている。実践対象は、介護福祉士養成校の学生と介護現場に勤務する職員で、それぞれ受講生に対して教育実施前後にアンケート調査をおこなうことで、教育プログラムの内容の評価をおこなった。 災害介護教育に対する介護現場のニーズ調査として、発災時や災害介護研修などで連携をすることが予測される、介護福祉養成校近隣の介護福祉事業所に対するアンケート調査を実施し、介護教育の現状と課題、および災害介護教育に対するニーズが明らかにした。 これらの調査結果について、研究分担者と共に、それぞれ学会で研究発表をおこなっている。さらに11月には、近隣住民や福祉施設に勤務する介護職員、および介護福祉養成校で学ぶ学生などを対象にした公開シンポジウムを実施した。そこで実際に災害を経験した東北地方の方々より実体験を話していただくと共に、災害研究に従事する他分野の研究者の発表がおこなわれた。そこで、これまでの災害介護教育プログラム研究の成果を報告し、一般の方々に広く伝えることで、災害介護教育の必要性を伝える場となった。 2015年度は被災地である東北地方に2度訪問し、震災を経験した介護福祉施設の職員にインタビュー調査をおこなうことで、震災後5年が経過した中で生まれた、新たな課題などを抽出している。この結果を通して、災害介護教育プログラム内容の評価に反映していく予定である。
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