研究課題/領域番号 |
25380837
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
長沼 洋一 東海大学, 健康科学部, 助教 (60558881)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ソーシャルワーカー / 業務確立 / 学生支援 / 大学生 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①多岐にわたるキャンパスソーシャルワーカーの業務内容を、適切に評価するための業務統計の 手法を開発する。 ②キャンパスソーシャルワーカー導入の成果について、配置部門の管理者に対するインタビュー調査から明らかにすることである。 前年度までに業務統計のフォーマットは完成していたが、キャンパスソーシャルワーカーの導入の位置づけに変化がみられたことから、②については改めて再検討を行った。 1)キャンパスソーシャルワーカーの現状に関する調査 キャンパスソーシャルワークネットワークへの加盟希望者のうち、障害学生支援業務に従事するソーシャルワーカーが増えてきた。障害者差別解消法の成立に伴い各大学の学生支援体制に変化が生じたためと考えられた。そこで管理者へのインタビュー調査は断念し、キャンパスソーシャルワーカーの業務役割の現状について意見交換会を企画した。その結果、相談業務専任でない場合の役割加重や、障害学生への支援の必要性についての無理解、学内体制を理解したうえでの調整の必要性といった課題が明らかにされ、障害学生支援の現状を踏まえた業務確立を改めて検討しなければならないことが示唆された。 2)質問紙調査の実施 上記の交流会を行ったため、所属長へのヒアリング調査は十分には実施できなかった。過去の調査や先行研究の成果を踏まえて(1)キャンパスソーシャルワーカーや障害学生支援コーディネーターの活用実態に関する質問紙調査(全体票)、(2)キャンパスソーシャルワーカーの所属長、部門長を対象にしたキャンパスソーシャルワーカーを導入した成果に関する調査(管理者票)、(3)キャンパスソーシャルワーカー自身による業務量と業務効果に関する調査(CSW票)を実施した。全体票542/1186,管理者票47、CSW票39の回収を得た。次年度分析予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
キャンパスソーシャルワーカーを取り巻く社会情勢の大きな変化を受け、研究内容を一部変更したため、管理者対象のヒアリング調査に関しては調査を断念し、現在キャンパスソーシャルワーカーを対象とした意見交換会により研究の方向性の確認を行った。それを踏まえて調査設計をやり直したものの、全国調査および管理者、キャンパスソーシャルワーカーを対象とした量的調査は予定通り実施できたため、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度には、データクリーニングを行い、以下の三点を明らかにする。 1)キャンパスソーシャルワーカーの最新の配置状況及び障害学生支援コーディネーターにおけるソーシャルワーカーの活用状況 2)管理者によるキャンパスソーシャルワーカーの配置の効果に関する量的評価とCSW本人による業務活動評価を明らかにする。 3)管理者による効果評価と、CSW自身による活動評価を組み合わせ、効果的な業務のあり方について検討する。 以上を通じてキャンパスソーシャルワーカーの有用性、効果的な活用方法を明らかにする。研究から得られた成果は、ウェブサイト上でも公開する
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査の終了時期が年度末と重なってしまったため、データ入力を当該年度中に実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
年度開始直後に速やかにデータ入力とデータクリーニングを行う予定である。分析結果は、学校ソーシャルワーク学会および社会福祉学会で報告し、いずれかの学会誌に投稿予定である。
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備考 |
研究者らが世話人を務めるキャンパスソーシャルワークネットワークのウェブサイトであり、研究代表者はサイトの管理人の一人である
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