• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

「説明」の心理学的意味に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380850
研究機関学習院大学

研究代表者

外山 みどり  学習院大学, 文学部, 教授 (20132061)

研究分担者 山田 歩  滋賀県立大学, 人間文化学部, 助教 (00406878)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード社会心理学 / 社会的認知 / 帰属過程 / 認知バイアス
研究実績の概要

本研究は、人間が日常生活で出会う諸事象や、自己・他者の行動およびその結果について行う説明について検討し、説明を行うことがもたらす心理的効果と意味について考察することを目的としたものである。最終年度である平成28年度には、自分が過去に経験した成功および失敗の出来事について、その原因を推測し、因果的な説明をさせることが当該の経験に対する評価や感情にいかなる影響を及ぼすかに関する質問紙実験を行ったほか、期間全体を通じての研究の総括と問題点の整理を試みた。成功・失敗経験に対する因果的説明の効果に関する実験結果について述べると、特に失敗経験については因果的説明を行うことの効果が顕著であり、過去を振り返って原因帰属を行うと、失敗に伴う苦痛やネガティブな感情が軽減する傾向が見いだされた。この傾向は、どのような要因に失敗の原因を帰するかによって程度が異なるものの、広く全般的に見られ、過去を振り返って因果的説明を行うこと自体が経験を客観視させ、ネガティブな感情反応を和らげる効果をもつものと推測される。
研究全体を通じて、身の回りに起こる諸事象に対して説明を行うということは、当該事象に意味を与え、安定した認知をもたらすと同時に将来への対応を可能にするという重要な機能を果たすことが確認されたが、他方で、まったくの偶発事象に対して無理に意味を付与する場合のような「説明の行き過ぎ」も多々見受けられ、説明のもたらす弊害についても考慮する必要がある。説明は心理的にプラス・マイナス両方向の効果をもたらす場合があることが明らかになった。
「説明」の問題は、個人の内面レベルから社会的・国家的・国際的なレベルに至るまでのさまざまな側面で重要な意味をもつ問題であり、今後も広く研究の対象とされるべきである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 「説明」の心理的機能を巡る諸問題2017

    • 著者名/発表者名
      外山みどり
    • 雑誌名

      対人社会心理学研究

      巻: 17 ページ: 103-110

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Comparing Japanese self-descriptions in two differenct writing formats2016

    • 著者名/発表者名
      Midori Toyama
    • 学会等名
      International Congress of Psychology
    • 発表場所
      Yokohama
    • 年月日
      2016-07-26
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi