本年度では、実験を1つ、調査を1つ行った。文献的検討を進めたのち、呈示刺激を予備調査によって準備し、秋に1つ実験を行った。放置自転車について単にその画像を反復呈示する条件の他に、放置が禁止であることを画像に付加した条件、パトカー、警官などの禁止を示唆する画像を呈示する条件の計3条件を用意して反復呈示を行った。大学近隣の放置自転車の様子を示す文章記述とそれに対する態度尺度をとり、態度尺度を従属変数として分散分析を行ったところ、禁止情報付加の効果が有意であり、画像の禁止情報をつけることは閾下呈示においても有意味であることが示された。これは昨年度の「行く」「行かない」の否定表現が効果をもったことと一致、整合している結果であった。反復回数の効果は有意になるほど十分な効果は検出できなかった。これはさらに水準を増やし、またもっと反復回数の多い条件も投入する必要が考えられた。 次に、冬に感情の非意識的効果について、SPSP学会大会で発表を行い、さらに1つ調査を行った。ツイッターから集められたツイートに対して言語処理を行い概念カテゴリーに振り分けて度数をカウントした上で記入者の特性との関連を調べた。記述情報から特性の関連を見出す作業が可能かを裏付ける意味をもった試みであった。いくつかの言語特徴と記述者の特性との関連性が相関として見出すことができたので、3月の仙台における言語処理学会大会にて共同発表を行った。 感情の効果についてのレビューや研究成果は、「社会心理学概論(印刷中)」に執筆を行った。
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