研究課題
基盤研究(C)
本研究の成果は、教材に含まれる具体的情報が学習を妨害するメカニズムについてモデル化を行ったことである。それによると、具体的情報が学習者の直観と一致する場合、その判断と矛盾する仮説的判断を行うことが著しく困難になる。その結果、学習者の推論は当初の直観的判断の証拠の探索や生成に制限され、直観的判断を批判的に吟味する可能性が失われるのである。このような推論は、当初の判断と結論が必然的に一致する構造、すなわち「自己完結的」と呼ぶべき構造を持っていることが明らかとなった。
教育心理学