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2013 年度 実施状況報告書

幼児期の対人関係と社会性の発達との関連

研究課題

研究課題/領域番号 25380872
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜国立大学

研究代表者

園田 菜摘  横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00332544)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード自己評価 / 幼児期 / 母親 / 養育態度
研究概要

本研究では、対人関係が広がり始める幼稚園年少から年中、年長にかけての3年間の縦断研究の中で、子どもの社会性の発達を縦断的に追跡し、それに対する母親、父親、保育者、仲間といった重要な他者との関係性がどのような影響を与えるのかについて、包括的な検討を行うことを目的としている。
1年目の平成25年度は、幼稚園に新しく入園した3歳児を対象に、母親の自尊感情、養育態度が子どもの自己評価にどのように影響するか検討を行った。対象は、1つの私立幼稚園に在園する年少クラスの幼児とその母親である。まず、母親47名に幼稚園を通して質問紙の配布・回収を行い、自尊感情、養育態度の測定を行った。因子分析の結果、自尊感情では「対人的自信の無さ」「効力感の高さ」「自己への過小評価」「自己嫌悪」の4つの因子が抽出された。養育態度では、「命令的しつけ」「自立尊重的しつけ」「保護的しつけ」「独立促進的しつけ」の4つの因子が抽出された。子どもに対しては面接調査を行い、40名に対して「対人的自己効力感」の測定を行った。さらに対人的自己効力感の平均点(33.35点)で子どもを高群(22名)、低群(18名)の2群に分け、併せて分析を行った。
その結果、母親の自尊感情と子どもの対人的自己効力感との間には関連は示されなかった。一方、母親の養育態度については、母親の「自立尊重的しつけ行動」の因子得点は、対人的自己効力感が高い群の子ども(M=.25, SD=.91)の方が低い群の子ども(M=-.33, SD=.83)よりも有意に高いことが示された(t=2.09, p<.05)。このことから、幼稚園年少児においては、母親が家庭で子どもの自立を尊重する態度をとることは、子どもが自分一人でも色々なことがやるという自信につながり、家庭だけでなく園での仲間関係における自己評価の高さにつながることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は幼稚園年少から年中、年長児にかけての3年間の縦断研究を行うことを目的としているが、初年度の平成25年度は、当初の目的通り幼稚園年少児の社会性に対する母親の影響について検討することができた。しかし、対象となった子どもの数が少なかったこと、年少児は長時間の面接が難しく測定尺度が限られたことなど、今後の課題も残る。

今後の研究の推進方策

平成25年度は幼稚園年少児を対象に調査を行ったが、測定を行った子どもの数、測定尺度が少ないという課題が残ったため、平成26年度以降は同じ子どもを追跡調査していくとともに、さらに人数、測定尺度を増やしながら詳細な分析を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Japanese Preschoolers’ Social Self-Efficacy and Maternal Characteristics2014

    • 著者名/発表者名
      Natsumi Sonoda
    • 学会等名
      International Association for Cross-Cultural Psychology
    • 発表場所
      University of Reims, France
    • 年月日
      20140715-20140719

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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