研究実績の概要 |
(1) 研究Ⅰ: 心理臨床家および伝統工芸職人(陶芸家)の生成と次世代への継承に関する面接調査研究をまとめ,岡本祐子(編著) 2014 『プロフェッションの生成と世代継承-ケーススタディ:中年期の実りと次世代の育成-』(ナカニシヤ出版,「世代継承性シリーズ」第1巻)として出版した。
(2) 研究Ⅱ: 心理臨床家のプロフェッショナル・アイデンティティの生成・深化と世代継承性に関する研究として,鑪幹八郎広島大学名誉教授に対する30時間の個別面談を行った。ライフヒストリーの分析によって,心の問題の探究の原点としての幼児期体験(信頼される体験,活発性),育ちの断絶感を埋めるための「深い内省とコミットメント」,専門家になっていく過程での先生(上の世代の指導者)との関係性の重要性が明らかにされた。本研究は,「世代継承性シリーズ」第2巻として,ナカニシヤ出版より2016年に刊行の予定である。(なお,本研究の成果の公表については,鑪幹八郎教授の承諾を得ている。)
(3) 研究Ⅲ: EriksonのGenerativity(世代継承性)に関する研究の動向を展望し,今後の世代継承性研究の課題を考察するため,1950~2014年にアメリカ合衆国をはじめとする諸外国で刊行された論文 約600編を入手した。現在,理論的論考,高齢期・中年期・青年期のアイデンティティと世代継承性,子育ておよびキャリアとの関連,臨床的問題,世代継承性の民族的研究の各領域別に分類し,まとめと論評を行っている。この研究は,「世代継承性シリーズ」第3巻として,ナカニシヤ出版より2017年に刊行の予定である。
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