研究課題/領域番号 |
25380889
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
小野寺 敦子 目白大学, 人間学部, 教授 (40320767)
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研究分担者 |
河野 理恵 目白大学, 人間学部, 准教授 (40383327)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 食ライフスタイル / 実母 / 韓国との国際比較 / 親子関係 |
研究実績の概要 |
本研究の課題は子ども世代と親世代における食ライフスタイルが親子関係とどのように関連しているかを検討することが目的である。初年度は、日本人の大学生とその実母を研究対象とし,その次の年は幼児を持つ母親とその実母という2世代を研究対象として研究を実施した。その結果、料理に興味をもち、コンビニエンスストアーなどをあまり利用せずに健康的な食ライフスタイルを選択していた子どもは、また、その親も同様の食ライフスタイルをとっていた。さらに両者間の関係が親密で良好であることが明らかになった。その一方で、外食が多くコンビニエンスストアーの利用頻度の高い子どもは、母親と対立関係にあることが示された。 今年度は、韓国の大学生とその実母を対象に食ライフスタイルと親子関係との関係についてアンケート調査を実施した。韓国のソウルにある延世大学、Lee-Sueng Min先生のもとに行き、調査の打ち合わせと準備を行なった。その後、日本における質問紙を韓国語の翻訳者に依頼してハングルに訳してもらい、それらの質問紙(大学生用と実母用)返信用の封筒などを国際宅急便にて韓国に送付した。授業等でアンケートを配布してもらい、大学に返却してもらったところ、約300ペアーの母子のデータを得ることができた。日本のデータとの比較をおこなったところ、韓国の大学生の中で母子関係が良好な傾向にある場合は、食ライフスタイルも健康的で良好であることが示された。つまり2世代間で食ライフスタイルは伝承されており、そこに親子関係の良し悪しも関係していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
韓国との国際比較調査を実施したため、質問紙をハングルから日本語にあるいは日本語からハングルに翻訳する必要があり、予想していた以上に韓国での調査に時間がかかってしまった。さらにそうして回収した韓国での質問紙を入力し解析するのにも時間がかかってしまい、まだ、十分な分析までに至っていない。そのため、研究全体がやや遅れてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は7月末に横浜で開催予定の「国際心理学会」で日本と韓国でとったデータを分析し、学会発表に備える予定である。さらに韓国でとった貴重なデータ分析を進める予定である。こうして得られた結果を専門ジャーナルに投稿すると同時に、マスコミなどの食育番組でとりあげていただき、食べること・共食すること がいかに大切であるかを示していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度においては、2016年7月に行われる国際心理学会にて小野寺敦子および河野理恵は発表を予定している。その学会参加費および学会準備に必要な印刷物や配布物に助成金を使用予定である。さらに韓国で実施した調査結果を分析しジャーナルなどに投稿し、本の執筆の準備を行う予定にしているため、それに対する人件費や分析費用が必要になる予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
横浜で開催予定の国際学会への参加費用:一人5万円 × 2人 =10万円。ポスター作成料金および配布印刷物の作成:10万円。韓国データの分析にかかる人件費:15万円。ジャーナルに投稿する文献取り寄せおよび本作成のための準備費:10万円。その他:約4万円
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