自閉スペクトラム症(ASD)の心理的介入に神経心理学的知見の導入意義を検討した。視線追跡では、モニター上に4表情の線画と写真を提示し、次にアクセサリーという妨害刺激を付加した。ASD青年は眉間や口への注視が高く、健常青年ともASD児とも有意差は見られなかった。さらに動画の顔に回答する条件では、ASD青年は注視領域が健常青年とは有意な差が見らなかった。ASD児はASD青年よりも目や口よりも鼻をよく見る傾向にあった。 母子の総合交渉では、ASD幼児は健常幼児よりもターンテイキングとアイコンタクトが有意に低かった。高校生に対する集団認知介入では、抑うつ症状や否定的認知が減少し、肯定的認知が高まった。
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