研究課題/領域番号 |
25380895
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 博之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20207137)
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研究分担者 |
土屋 隆裕 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00270413)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 学級経営 / 学級力 / アセスメント / プロジェクト学習 / 教授法 |
研究実績の概要 |
平成26年度の研究目的は、研究指定校での研究授業の分析を通して、学級力向上のためのプロジェクト学習を実践するプロジェクト教授法の開発を行うことが中心となっている。本年度の研究成果は、以下の通りである。 【具体的内容】学級力を高めるプロジェクト教授法の開発については、先行研究として、R-PDCAサイクルという経営改善モデルを参考にして、活動系列を構想した。次に、以下の3点で研究成果を深めた。 1) ビデオ記録分析 活動系列モデルにしたがった研究授業を、研究協力校6校の小中学校で実施し、その様子をビデオ記録に撮り、具体的な発問や指示、典型的な児童の反応、学級力レーダーチャートの効果的な活用法、効果的なワークシートの活用法等をビデオ記録の分析により実証的に明らかにした。 2) 教師インタビューの分析 こうして抽出した教授法の具体例を整理して、授業者にフィードバックし、その教授意図をインタビューにより取り出し整理した。 3) 児童生徒による授業評価アンケートの分析 以上の研究授業については、それぞれに児童生徒による授業評価アンケートにより、成果と課題(改善点を含む)を明らかにした。 【意義】学級力を高めるプロジェクト教授法の下位類型は、掲示系、記録系、ほめほめ系、サイン系、ポイント系、体験系、行事系、ものづくり系、話し合い系、お祝い系という、10タイプになった。これまで、特別活動において学級をよくする活動例として部分的に提案されていたものはあるが、本研究で体系化できたことは、理論面での蓄積だけでなく、実践面においても、学級を改善する子ども中心の手法が整理できた意義は大きい。 【重要性】本年度の研究で、プロジェクト教授法の開発が、ほぼ期待通りに体系的に実施できたことで、次年度(最終年度)の研究において、その成果を生かした実践ハンドブックの開発が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画時に想定していた問題が発生しなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の最終年度には、以上の全ての研究成果を研究報告書にまとめるが、それと並行して、「学級力向上プロジェクト実践マニュアル」(DVD付き)として、学校の教師が本研究の知見を実践的に活用して、自らの学級の学級力を向上させることができる自学自習型の研修マニュアルを完成し、広く社会に公開する。
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