成人初期の婚約者ならびに配偶者のいる者を対象にインターネット調査ならびにインタビュー調査を行い,結婚生活の形成期におけるコミットメントの推移とその関連要因について検討した。 分析の結果,婚約期と新婚期でのコミットメントにおいて性差が確認されるとともに,新婚期のコミットメントが婚約期での状態によってある程度予測できること,さらにはコミットメントの性質によって心理的適応が異なる影響を受けていることなどが示された。本研究の知見は,将来結婚を計画している恋愛カップルや挙児希望により不妊治療に取り組む夫婦への心理臨床的支援において,男女双方のコミットメントを考慮する必要性を示唆するものであった。
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