研究課題/領域番号 |
25380903
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢藤 優子 立命館大学, 文学部, 准教授 (20352784)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 行動計測機器 / 描画検査 / デジタルペン / ベンダーゲシュタルトテスト |
研究実績の概要 |
本研究は,フランスにおいて開発が進められている描画検査のコンピュータ自動診断システムおよび自動採点システムを我が国でも適用すべく,日本の幼児の描画検査(グッドイナフ人物画検査,ベンダーゲシュタルトテスト,レイの複雑図形)データを定量的に収集し,標準化および妥当性の検証を行うことを目的としてなされた。本研究では,筆記用具として行動計測機器(デジタルペン),および描線解析ソフト‘Elian’を用いることで,従来の描画検査では困難な筆圧・筆速の変化や描き順などの描画プロセスを効率良く分析することを可能にした。本研究から得られる知見によって,従来経験と時間を要するとされてきた描画検査の採点作業を簡便化できるほか,発達障害やいわゆる「気になる子ども」の早期発見,早期支援につなげることが可能となる。 本年度は,ベンダーゲシュタルトテストにおけるコピッツ法による採点の自動化システムを完成させ,Elianの機能として追加した。また,ハット法による採点にも必要な図形同士の位置関係,用紙の使用順序,余白等を数値化するべくElian がバージョンアップされた。本研究の成果は,日本心理学会第78回シンポジウム(9月),立命館大学人間科学研究所共催によるワークショップ(9月),発達心理学会第26回大会でのチュートリアルセミナー(3月)等で公表した。また,本研究の成果と自動解析システムを紹介するためのホームページを作成中である(6月開設予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画として掲げていた描画検査の自動採点システムの構築がほぼ完成し,日本人の標準化データの収集,解析,成果発表が順調に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られてきた研究成果について論文化し,ジャーナルへの投稿を進める(一部については投稿済,現在審査中)。 国内外での学会での発表,ホームページによる成果の公表を行う。 収集したデータの一部について,エラーのため使用できないものが見つかったため,補完するためのデータ収集を追加する。
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次年度使用額が生じた理由 |
投稿論文の英文校閲料としての使用を予定していたが,当該年度内に論文が完成しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
投稿論文の英文校閲料のほか,学会発表(APS,5月21-26日)のための旅費,データ収集・解析にかかわる人件費,ホームページ開設費用等に用いる。
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