本研究の目的は,大学生におけるコミュニケーションスキルの社会的側面と論理的側面の両者を同時に育むことにつながるグループディスカッション用の教育プログラムを開発し,その教育効果を検証することである。この目的を果たすために,本研究ではコミュニケーションスキルの社会的側面の育成のために大学生が遭遇する対人問題場面の事例を用意し,また論理的側面の育成のために「賛否両論図」を考案し,これらを組み合わせた補助教材を開発した。この補助教材を活用して大学生に3,4人1組からなるグループディスカッションを実施した結果,全体の60%のグループで,帰納的,演繹的推論を行いながら事例検討をしていたことを確認した。
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