研究課題/領域番号 |
25380911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
齊藤 崇 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 准教授 (20461725)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 被援助志向性 / 保育者 |
研究概要 |
被援助志向性について、保育者対象の研究が少ないため、本研究では、保育者の被援助志向性に着目して、保育者が職務上、困難に直面した際に、他者に援助を求めるかどうかの認知的枠組みを測定するための新たな尺度を作成することを目的とした。保育者11名(M=22.3歳、SD=1.35)に対して、半構造化面接を実施した。総面接時間は6時間14分4秒で一人当たりの平均面接時間は約34分であった。ICレコーダで録音した音声データをもとに被援助志向性にかかわる項目を作成して、その後、保育者にかかわっている臨床心理学の専門家3名程度により内容的妥当性の検討を行い、保育者の被援助志向性に関する予備項目が見出された。当該年度に予備項目について、構成概念妥当性や基準関連妥当性の検討を行うために保育者200~300名程度に対して質問紙調査を実施し、その後、信頼性の検討を行うために保育者200名程度に対して再度、質問紙調査を実施する予定であったが、予備調査を実施した際に、当初の仮説と異なった結果が出たため、結果の検証と再度の文献の再検討を行ったため、予備項目の構成概念妥当性や基準関連妥当性の検討、さらには信頼性の検討も当該年度で実施することができなかった。次年度は、引き続き、妥当性・信頼性の検討のための調査を早急に実施して、保育者のための被援助志向性尺度を作成した後に、精神健康度などとの関連について調査を実施したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際に保育者のための新しい被援助志向性に関する尺度作成とその妥当性・信頼性の検討が、今年度の大きな目的であったが、予備項目を作成する際の予備調査の段階で、当初の仮説とは異なる結果が見出されたため、その結果の細かな検証と再度の先行研究、文献等の検討の作業を研究途中のプロセスの中に入れざるを得なかったため、当該年度の研究計画よりやや遅れている状況である。詳しくは、他者に援助を求めるかどうかの認知的枠組みを測定するための新たな保育者のための被援助志向性の尺度を作成するために、担任の職務ができるだけ重ならない、1~5歳児の担任やフリーの役割を行っている現職の保育者11名に対して、半構造化面接の実施をした後に、ICレコーダで録音した音声データをもとに被援助志向性にかかわる項目を作成後、保育者にかかわっている臨床心理学の専門家、3名程度により内容的妥当性の検討を実施することに留まった。現在のところ、保育者の被援助志向性に関する予備項目が見出された段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究段階で当初の仮説と異なる予備研究の結果の細かな検証を時間をかけて実施したため、研究計画に関する変更は特に考えていない。今後の研究方策の推進としては、早い段階で、当初の研究計画からやや遅れているペースをはやめるために、現職保育者で研究協力を行う者のすみやかな協力依頼と調査の実施が必要となる。そして、被援助志向性に関する予備項目の妥当性・信頼性の検討を行うための調査を現職の保育者に対して、2回ほどで計400~500名の規模で実施することとする。その後、今年度の研究計画どおり、保育者の被援助志向性に関する項目の作成と妥当性・信頼性の検討を行った尺度を実際に使用し、精神健康度などとの関連について調査を実施する。その際に現職の保育者300名程度を調査対象とする。今後の研究において調査協力者が多数必要となるため、保育関連団体に依頼するなどの連携をとりながら本研究課題の推進を図りたいと考える。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の研究計画において、現在まで進行中の研究の他に、2つの調査研究(現職保育者200人を調査対象とする調査と現職保育者300人程度を調査対象とする調査)を行う予定であったものが、未実施であるため、調査にかかる費用を当該年度に使用しなかったために次年度使用額が生じた。また、購入予定であった物品に関しても、購入を留保したために次年度使用額が生じた。 保育者のための被援助志向性に関する項目の妥当性を検討する調査にかかる費用と信頼性を検討する調査にかかる費用の物品費や旅費、謝金などに充てるものとする。
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