器質的な難聴を伴わない聴こえの問題をもつ聴覚処理問障害(APD: Auditory Processing Disorder)の小児に対し、医師と臨床心理士が心身両面からの評価と支援を試みた。多くの事例で問題は多軸にわたっており、心身にわたる多軸的評価と、多職種協働による支援システムの必要性が考察された。聴覚処理障害事例では補聴システムの利用や学校や家庭との連携による環境調整が有効であった。また多くは二次的に機能性難聴を併発しており、心理療法が有効であった。欧米におけるAPD評価支援システムの標準的確立をモデルに、日本においても特別支援教育への位置づけを踏まえた評価、支援の充実が望まれる。
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