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2015 年度 実績報告書

高機能自閉症スペクトラム障害の自己理解をめぐる葛藤と対処スキルに関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380931
研究機関山口大学

研究代表者

木谷 秀勝  山口大学, 教育学部, 教授 (50225083)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード自閉症スペクトラム障害 / 自己理解 / 集中型「自己理解」プログラム
研究実績の概要

27年度では、青年期の高機能自閉症スペクトラム障害(以下、高機能ASD)を対象とした集中型「自己理解」プログラム合宿(以下、本プログラム)を実施した。本プログラムの臨床的な意義としては、25・26年度にかけて実施した10年間にわたる高機能ASDの追跡調査から、家庭や学校において受身的な姿勢で支援を受けるだけでは、青年期以降の能動的な社会性や予測能力が十分に育たないことがわかってきた。同時に、長期にわたる適応事例からは、自分自身の得意さ・苦手さを理解しながら、「~までは一人でできますが、~からは手伝ってください」と支援してくれる大人たちへの信頼感と上手な援助要請スキルが獲得できていることがわかってきた。そこで、本研究の成果として26年度に作成した自己理解ワークブックを活用する1泊2日のプログラム(福岡市)と3泊4日のプログラム(愛知県日間賀島)を実行した。参加者は、高校生から大学生の高機能ASDを対象として、本人告知を前提として、事前説明会を経て、保護者と本人から参加及び研究協力への承諾書をもらっている。この2回のプログラムを通して明確になったことは次の点であった。プログラムの経過とともに参加者の主体性(能動性)がより賦活されることによって、その後の生活場面につながっていく効果である。ただし、今後の課題として、本プログラムをさらに充実させるためには、「自己理解」を進める準備段階として身体感覚への気づき、他者とのアサ―ティヴなコミュニケーションスキル、そして「援助要請」スキルの獲得が重要である。同時に、本プログラムがもつ臨床的な意義を明確にするため、さらに評価として、参加前後の変化、生活場面への般化に関する評価方法の開発を進める必要性がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 2016 2015

すべて 雑誌論文 (6件) (うち謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 敏感すぎる子の豊かな感受性を育む-創造活動を通して2016

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 雑誌名

      児童心理

      巻: 70(3) ページ: 89-95

  • [雑誌論文] 総論:思春期・青年期から始める「大人になる・社会に出る」ために必要になってくること2016

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 雑誌名

      アスペハート

      巻: 42 ページ: 8-13

  • [雑誌論文] 青年期の自閉症スペクトラム障害を対象とした集中型「自己理解」プログラム2016

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝・中島俊思・田中尚樹・坂本佳織・宇野千咲香・長岡里帆
    • 雑誌名

      山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要

      巻: 41 ページ: 63-70

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「揺れながら生きる」自己を発見するための臨床描画-「みる」から「みつける」ことへの気づき-2016

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 雑誌名

      臨床描画研究

      巻: 31 ページ: 印刷中

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 青年期の高機能ASDへの支援-「自己理解」を中心に2016

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 雑誌名

      児童青年精神医学とその近接領域

      巻: 57 ページ: 印刷中

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 思春期・青年期の発達障害の心理アセスメントと支援2015

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 雑誌名

      教育と医学

      巻: 63(11) ページ: 30-35

  • [学会発表] 青年期の発達障害のアセスメントと支援2015

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 学会等名
      「教育と医学の会」シンポジウム
    • 発表場所
      天神スカイホール(福岡県福岡市中央区)
    • 年月日
      2015-11-07
  • [学会発表] 青年期の高機能ASDへの支援-「自己理解」を中心に2015

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 学会等名
      日本児童青年精神医学会第56回総会シンポジウム2
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
    • 年月日
      2015-09-29 – 2015-10-01
  • [学会発表] 「揺れながら生きる」自己を発見するための臨床描画 -「みる」から「みつける」ことへの気づき-2015

    • 著者名/発表者名
      木谷秀勝
    • 学会等名
      日本描画テスト・描画療法学会第25回大会シンポジウム
    • 発表場所
      大正大学(東京都豊島区)
    • 年月日
      2015-09-05 – 2015-09-06
  • [図書] 日常臨床に活かす精神分析2017

    • 著者名/発表者名
      祖父江典人・細澤仁編集
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      誠信書房

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公開日: 2017-01-06  

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